年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン No.52(2023/5/24)
2023/05/24 (Wed) 11:00
年総研メルマガ
No.52 (2023/05/24)
ご愛読、誠にありがとうございます。
本メールマガジンは、これまで年金シニアプラン総合研究機構とご縁のある皆様にご送付させていただきました。
ご不要の際はどうかご海容下さるようお願い申し上げます。
ご購読を直ちに中止なさる場合は、誠に恐縮ですが、下記のURLからお手続き下さるよう伏してお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=nensoken&task=cancel
目次
1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2023/04/26~05/23)
(1) 令和5年度 山口新一郎賞の授与
(2) 企業年金連絡協議会・講義資料の公開
(3) 年金調査研究レポートの公開
(4) 調査研究報告書の公表
(5) 第7回ユース年金学会の開催予告
2.年金ライフプランセミナー:
・ライフプランセミナー開催支援のご案内
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2023/04/26~05/23)
(1) 令和5年度 山口新一郎賞特別賞の授与(2022/05/08)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/R5yamaguchisho.pdf
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構(理事長 高山憲之)は中益陽子氏による論文「社会保障制度における個人単位と世帯単位 ―年金制度を中心として」および百瀬優氏による論文「遺族年金の性格と現行制度の課題」に対して、令和5年度 山口新一郎賞を授与する旨、決定いたしました。なお、授賞セレモニーはおって実施する予定です。
● 山口新一郎賞「社会保障制度における個人単位と世帯単位 ―年金制度を中心として」(中益陽子)
【要旨】
社会保障制度を個人単位と世帯単位のいずれで構築すべきかについては、それぞれの根拠を整理・分析することが不可欠である。この点、個人単位の根拠としては、制度を世帯や性別に中立に機能させるべきとの公平感や就労調整への影響の小ささ等が主張される一方、世帯単位は、家族を有するか否かは扶養義務を介して負担能力や要保障性に違いを生むことから、再分配を勘案した制度設計に親和的である。生存権が自由権保障をベースに構築されると考えられる点や扶養義務の位置づけ等も考え合わせれば、このうち世帯単位の根拠となる原則を個人単位のそれよりも優先させる制度設計は、社会保障制度でも首肯される。とくに、労働者に関しては、事業主に対するその交渉力の弱さ(つまり、事業主との交渉により、賃金に家族扶養分を含めることが実際には難しい点)に鑑みて、事業主負担を通じて、労働者により有利に再分配を行う労働者保護の趣旨も考慮されよう。こうしたさまざまな事情を問題となる制度の趣旨に即して総合考慮しながら、もっとも妥当と思われる単位のあり方を模索すべきである。
● 山口新一郎賞「遺族年金の性格と現行制度の課題」(百瀬優)
【要旨】
本稿では、まず、遺族年金の性格を、遺族の生活変化に対する一時的支援、現役期遺族や遺児に対する中長期的な所得保障、高齢遺族に対する老齢年金の代替・補足、死亡した者が獲得した年金受給権の遺族への継承の4つに整理し、日本の遺族年金が、どのような性格を重視した制度となっているのかを確認した。次に、遺族年金を取り巻く環境の変化を踏まえて、これからの制度のあり方として、(1)遺族厚生年金の支給要件などに残る男女差を解消していく、(2)遺族配偶者の性別を問わずに、遺族の生活の立て直しを図るための一時的支援としての性格も重視する、(3)中長期的な所得保障という性格は、遺族配偶者に子がいる場合など、遺児のいる世帯に重点を置く、(4)高齢遺族に対する遺族厚生年金の支給方法を見直すという4つが考えられることを指摘した。最後に現行制度にかかわる論点をいくつか取り上げて、その課題と改革の方向性について論じた。
(2) 年金講義資料集に企業年金連絡協議会(3月27日)の講義資料を公開しました(2023/05/23)
https://www.nensoken.or.jp/publication/document/
「超高齢社会における社会保障制度の在り方と私的年金への期待」(西岡隆)
講義資料:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/kenshukaippt.pdf
講義録:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/kenshukaikougiroku.pdf
(3-1) 年金調査研究レポート『「金融経済教育」の新たな展開と老後に向けた資産形成への実効性』(石尾勝)を公開しました(2023/05/08)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r05_01.pdf
【要旨】
○2022年度から高校家庭科に新たに資産形成や金融商品等に関する教育がスタートして1年が経過した 。また、昨年「資産所倍増プラン」が発表されたが、そこでは国民の金融リテラシー向上と「金融経済教育」の充実が必須の課題となっている。
○「金融経済教育」が学校教育に盛り込まれるようになった背景としては、国民の金融リテラシーの向上と自助による資産形成の必要性、成人年齢の引き下げ、に加え、「金融経済教育」に関するOECD等の国際的な動きがある。
○今回の学習指導要領では、生涯を見通した家計の管理・計画、リスク管理等の基本を学ぶとともに、資産形成と株式・投資信託等金融商品の基本的知識を身に付けることとしている。実際の教科書を見ると、限られたページに多くの事項を盛り込んでおり、やや詰込み感のあるものも多い。また、NISAとiDeCoについてきちんと両方とも記述しているものは少なく、今後の課題であろう。
○金融リテラシーは、知識等の認知能力(狭義の金融リテラシー)、自信等の非認知能力(金融コンピテンシー)、アドバイス、制度等のサポートの利用(金融ケイパビリティ)の有機的な相互連関により形成される。金融ケイパビリティ面において、人的・技術的支援や制度面の整備に関する政策を強化することで、金融リテラシーの向上をより促進することができるだろう。
○現状の「金融経済教育」で資産形成に対する取組みが大きく向上するのは難しいだろう。 金融リテラシーの向上と「金融経済教育」の充実には社会の各方面の多面的な取り組みが必要で、学校、家庭、職域、地域が有機的に連携していくことが求められる。 また、「金融経済教育」は資産運用等に関係する専門家や専門的な機関等の協力が必須と言えるが、この点では「資産所得倍増プラン」で打ち出された「金融経済教育推進機構(仮)」と「中立的な認定アドバイザー」が注目される。
○国民が金融リテラシーを高め、より良い老後を送れるようにするためにも、「金融経済教育」を充実させ、その実効性を高めるための継続的な取り組みが期待される。
(3-2) 年金調査研究レポート『ドイツの「世代資本」構想について』(杉田健)を公開しました(2023/05/23)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r05_02.pdf
【要旨】
ドイツは公的年金の財源に充てるために、政府ファンドの構築を検討している。これは名前を「世代資本」(Generationenkapital)という。目的は、少子高齢化で現役世代の負担が高まることへの対策である。当初はスウェーデンをモデルに公的年金保険料の一部を株式運用に充てる「株式年金」を考えていたが、反対が多く政府からの融資により資金を調達する政府ファンドを作り、運用益を年金原資に充当する構想となった。世代資本については批判もあり、関連法案もこれから審議予定であるが、すでに連邦財務省のウエブサイトには世代資本の解説が掲載されている他、今年度連邦予算に世代資本への融資100億ユーロが計上されている。
キーワード:世代資本、株式年金、ソヴリン・ウエルス・ファンド、ドイツ、年金
(4) 調査研究報告書「海外年金資金等のアセットアロケーション に関する調査研究」を公表しました(2023/05/18)
プレスリリース:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20230518pressrelease.pdf
報告書:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/R04-03.pdf
【要旨】
本報告書では、海外大手年金等の資産運用ポートフォリオにおけるアセットアロケーションの状況等を調査しまとめている。
海外大手年金等のアセットアロケーションの資産クラス別の構成比は、極めて様々なものとなっており、投資家タイプ別の差異も拡大している。
海外大手年金資金等では、ITバブルの崩壊や世界金融危機等を経て、ポートフォリオのダウンサイド・リスクの緩和がポートフォリオ運営上の主要テーマとなり、分散投資の推進やリスクファクターの考慮、プライベート資産やオルタナティブ資産への投資拡大等、様々なリスク軽減への試みがなされている。
株式等リスク資産の組入を引き下げ債券等の組入を増やす動きもみられているが、ポートフォリオの期待リターン水準は低下することから、債券部分にレバレッジを掛けて期待リターンの水準を引き上げることも一部では行われている。また、英国債利回りの急上昇による資金繰りの問題が話題となった英国年金のレバレッジLDI投資の状況も併せて調査している。
(5) 第8回ユース年金学会の開催予告
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/2023_youthyokoku.pdf
大学学部生のゼミや研究グループが一堂に会し、年金に関する発表を行う機会として、2016年11月からユース年金学会を開催しております。本年も、同様の行事の開催を検討しています。ご関心のある方々にご予定いただけるよう、下記の通り予告します。
●開催日:2023年12月2日(土)
●場所:慶應義塾大学三田キャンパス(予定)
●開催形式:対面式を含むハイブリッド
※開催時点における感染状況等に鑑み変更する可能性があります
●参加者:参加資格は、大学の学部生で構成されるチーム(ゼミ、研究グループなど)であって、その指導教員が開催日時点で日本年金学会の会員であることです。なお、チーム構成員に教員や大学院生が加わり発表を行うことは不可とします。
●参加費用:無料
●発表方法:チームごとに20~30分の発表(プレゼン)を行う。また、あらかじめ5千字程度(A4で4~7枚)の発表要旨を作成して、事務局に送付(これは開催当日の配布資料になります)願います。
●その他:詳細は本年7月頃に改めて発表します。
2. 年金ライフプランセミナー
■2023年度(令和5年度)の年金ライフプランセミナー【当機構主催】は都合により2023年秋以降の開催を予定しております。詳細が決まりましたら、当機構WEBサイト等にてご案内申し上げますので、しばらくお時間をいただきたく存じます。ご不便をおかけしまして誠に申し訳ございません。
■「年金ライフプランセミナー(動画版)」のお申込み、ご相談をお受けしています。ライフプランセミナーのページにおいて、セミナー内容をご紹介する動画を公開しております。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
◆講読の中止
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◆最新情報はTwitterで発信中です。ぜひ、ご登録下さるようお願い申し上げます。
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年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
〒108-0074 港区高輪1丁目3-13 NBF高輪ビル4F
TEL 03-5793-9411
URL https://www.nensoken.or.jp/
お問い合わせ https://www.nensoken.or.jp/contact/
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No.52 (2023/05/24)
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(1) 令和5年度 山口新一郎賞の授与
(2) 企業年金連絡協議会・講義資料の公開
(3) 年金調査研究レポートの公開
(4) 調査研究報告書の公表
(5) 第7回ユース年金学会の開催予告
2.年金ライフプランセミナー:
・ライフプランセミナー開催支援のご案内
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2023/04/26~05/23)
(1) 令和5年度 山口新一郎賞特別賞の授与(2022/05/08)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/R5yamaguchisho.pdf
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構(理事長 高山憲之)は中益陽子氏による論文「社会保障制度における個人単位と世帯単位 ―年金制度を中心として」および百瀬優氏による論文「遺族年金の性格と現行制度の課題」に対して、令和5年度 山口新一郎賞を授与する旨、決定いたしました。なお、授賞セレモニーはおって実施する予定です。
● 山口新一郎賞「社会保障制度における個人単位と世帯単位 ―年金制度を中心として」(中益陽子)
【要旨】
社会保障制度を個人単位と世帯単位のいずれで構築すべきかについては、それぞれの根拠を整理・分析することが不可欠である。この点、個人単位の根拠としては、制度を世帯や性別に中立に機能させるべきとの公平感や就労調整への影響の小ささ等が主張される一方、世帯単位は、家族を有するか否かは扶養義務を介して負担能力や要保障性に違いを生むことから、再分配を勘案した制度設計に親和的である。生存権が自由権保障をベースに構築されると考えられる点や扶養義務の位置づけ等も考え合わせれば、このうち世帯単位の根拠となる原則を個人単位のそれよりも優先させる制度設計は、社会保障制度でも首肯される。とくに、労働者に関しては、事業主に対するその交渉力の弱さ(つまり、事業主との交渉により、賃金に家族扶養分を含めることが実際には難しい点)に鑑みて、事業主負担を通じて、労働者により有利に再分配を行う労働者保護の趣旨も考慮されよう。こうしたさまざまな事情を問題となる制度の趣旨に即して総合考慮しながら、もっとも妥当と思われる単位のあり方を模索すべきである。
● 山口新一郎賞「遺族年金の性格と現行制度の課題」(百瀬優)
【要旨】
本稿では、まず、遺族年金の性格を、遺族の生活変化に対する一時的支援、現役期遺族や遺児に対する中長期的な所得保障、高齢遺族に対する老齢年金の代替・補足、死亡した者が獲得した年金受給権の遺族への継承の4つに整理し、日本の遺族年金が、どのような性格を重視した制度となっているのかを確認した。次に、遺族年金を取り巻く環境の変化を踏まえて、これからの制度のあり方として、(1)遺族厚生年金の支給要件などに残る男女差を解消していく、(2)遺族配偶者の性別を問わずに、遺族の生活の立て直しを図るための一時的支援としての性格も重視する、(3)中長期的な所得保障という性格は、遺族配偶者に子がいる場合など、遺児のいる世帯に重点を置く、(4)高齢遺族に対する遺族厚生年金の支給方法を見直すという4つが考えられることを指摘した。最後に現行制度にかかわる論点をいくつか取り上げて、その課題と改革の方向性について論じた。
(2) 年金講義資料集に企業年金連絡協議会(3月27日)の講義資料を公開しました(2023/05/23)
https://www.nensoken.or.jp/publication/document/
「超高齢社会における社会保障制度の在り方と私的年金への期待」(西岡隆)
講義資料:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/kenshukaippt.pdf
講義録:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/kenshukaikougiroku.pdf
(3-1) 年金調査研究レポート『「金融経済教育」の新たな展開と老後に向けた資産形成への実効性』(石尾勝)を公開しました(2023/05/08)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r05_01.pdf
【要旨】
○2022年度から高校家庭科に新たに資産形成や金融商品等に関する教育がスタートして1年が経過した 。また、昨年「資産所倍増プラン」が発表されたが、そこでは国民の金融リテラシー向上と「金融経済教育」の充実が必須の課題となっている。
○「金融経済教育」が学校教育に盛り込まれるようになった背景としては、国民の金融リテラシーの向上と自助による資産形成の必要性、成人年齢の引き下げ、に加え、「金融経済教育」に関するOECD等の国際的な動きがある。
○今回の学習指導要領では、生涯を見通した家計の管理・計画、リスク管理等の基本を学ぶとともに、資産形成と株式・投資信託等金融商品の基本的知識を身に付けることとしている。実際の教科書を見ると、限られたページに多くの事項を盛り込んでおり、やや詰込み感のあるものも多い。また、NISAとiDeCoについてきちんと両方とも記述しているものは少なく、今後の課題であろう。
○金融リテラシーは、知識等の認知能力(狭義の金融リテラシー)、自信等の非認知能力(金融コンピテンシー)、アドバイス、制度等のサポートの利用(金融ケイパビリティ)の有機的な相互連関により形成される。金融ケイパビリティ面において、人的・技術的支援や制度面の整備に関する政策を強化することで、金融リテラシーの向上をより促進することができるだろう。
○現状の「金融経済教育」で資産形成に対する取組みが大きく向上するのは難しいだろう。 金融リテラシーの向上と「金融経済教育」の充実には社会の各方面の多面的な取り組みが必要で、学校、家庭、職域、地域が有機的に連携していくことが求められる。 また、「金融経済教育」は資産運用等に関係する専門家や専門的な機関等の協力が必須と言えるが、この点では「資産所得倍増プラン」で打ち出された「金融経済教育推進機構(仮)」と「中立的な認定アドバイザー」が注目される。
○国民が金融リテラシーを高め、より良い老後を送れるようにするためにも、「金融経済教育」を充実させ、その実効性を高めるための継続的な取り組みが期待される。
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ドイツは公的年金の財源に充てるために、政府ファンドの構築を検討している。これは名前を「世代資本」(Generationenkapital)という。目的は、少子高齢化で現役世代の負担が高まることへの対策である。当初はスウェーデンをモデルに公的年金保険料の一部を株式運用に充てる「株式年金」を考えていたが、反対が多く政府からの融資により資金を調達する政府ファンドを作り、運用益を年金原資に充当する構想となった。世代資本については批判もあり、関連法案もこれから審議予定であるが、すでに連邦財務省のウエブサイトには世代資本の解説が掲載されている他、今年度連邦予算に世代資本への融資100億ユーロが計上されている。
キーワード:世代資本、株式年金、ソヴリン・ウエルス・ファンド、ドイツ、年金
(4) 調査研究報告書「海外年金資金等のアセットアロケーション に関する調査研究」を公表しました(2023/05/18)
プレスリリース:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20230518pressrelease.pdf
報告書:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/R04-03.pdf
【要旨】
本報告書では、海外大手年金等の資産運用ポートフォリオにおけるアセットアロケーションの状況等を調査しまとめている。
海外大手年金等のアセットアロケーションの資産クラス別の構成比は、極めて様々なものとなっており、投資家タイプ別の差異も拡大している。
海外大手年金資金等では、ITバブルの崩壊や世界金融危機等を経て、ポートフォリオのダウンサイド・リスクの緩和がポートフォリオ運営上の主要テーマとなり、分散投資の推進やリスクファクターの考慮、プライベート資産やオルタナティブ資産への投資拡大等、様々なリスク軽減への試みがなされている。
株式等リスク資産の組入を引き下げ債券等の組入を増やす動きもみられているが、ポートフォリオの期待リターン水準は低下することから、債券部分にレバレッジを掛けて期待リターンの水準を引き上げることも一部では行われている。また、英国債利回りの急上昇による資金繰りの問題が話題となった英国年金のレバレッジLDI投資の状況も併せて調査している。
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●開催日:2023年12月2日(土)
●場所:慶應義塾大学三田キャンパス(予定)
●開催形式:対面式を含むハイブリッド
※開催時点における感染状況等に鑑み変更する可能性があります
●参加者:参加資格は、大学の学部生で構成されるチーム(ゼミ、研究グループなど)であって、その指導教員が開催日時点で日本年金学会の会員であることです。なお、チーム構成員に教員や大学院生が加わり発表を行うことは不可とします。
●参加費用:無料
●発表方法:チームごとに20~30分の発表(プレゼン)を行う。また、あらかじめ5千字程度(A4で4~7枚)の発表要旨を作成して、事務局に送付(これは開催当日の配布資料になります)願います。
●その他:詳細は本年7月頃に改めて発表します。
2. 年金ライフプランセミナー
■2023年度(令和5年度)の年金ライフプランセミナー【当機構主催】は都合により2023年秋以降の開催を予定しております。詳細が決まりましたら、当機構WEBサイト等にてご案内申し上げますので、しばらくお時間をいただきたく存じます。ご不便をおかけしまして誠に申し訳ございません。
■「年金ライフプランセミナー(動画版)」のお申込み、ご相談をお受けしています。ライフプランセミナーのページにおいて、セミナー内容をご紹介する動画を公開しております。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
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