<修正・再送付>年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン No.44(2022/09/28)
2022/09/28 (Wed) 13:38
年総研メルマガ
No.44 (2022/09/28)
昨日お送りしたメールマガジンの内容に一部文字化けしている箇所がありました。大変失礼いたしました。
改めて修正したメールマガジンをお送りします。何卒ご寛恕いただきますようお願い申し上げます。
ご愛読、誠にありがとうございます。
本メールマガジンは、これまで年金シニアプラン総合研究機構とご縁のある皆様にご送付させていただきました。
ご不要の際はどうかご海容下さるようお願い申し上げます。
ご購読を直ちに中止なさる場合は、誠に恐縮ですが、下記のURLからお手続き下さるよう伏してお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=nensoken&task=cancel
目次
1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2022/08/24~09/27)
(1) 「年金と投資に関する意識調査結果」の公表
(2) 第7回ユース年金学会のチーム参加申込の受付開始
(3) 年金調査研究レポートの公開
(4) 年金シニアプランコラムの公開
2.年金ライフプランセミナー:
・ライフプランセミナー開催支援のご案内
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2022/08/24~09/27)
(1)「年金と投資に関する意識調査結果」を公表しました。 (2022/08/25)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20220825pressrelease.pdf
【要旨】
前回調査から5 年を経過したことから、ESG投資に関連する事項を含め、年金と投資に関する一般国民の意識を把握することを目的に、全国の20歳以上の者4,500人を対象にアンケート調査を行った。前回調査の5年前と比べるとESG投資を取り巻く状況は、公的年金積立金によるESG投資が始まって5年になる等の変化があった。今回の調査によるとESG投資について知っていたのは10.5%、これに「言葉だけは聞いたことがある」を加えると30.7%であった。前回調査では知っていたのは5.0%、「聞いたことはあった」を加えると14.3%であったので大幅な増加となったものの、一般国民の7割はまだまったく知らないと回答している。 一方、年金積立金が市場運用されていることを知らない者は4割超おり、本調査結果は加入者や受給者という当事者である国民の意識が積立金の運用においてはいまだ十分に定着していない状況を示している。 一般の日本人にとって「投資」と言うと、難しい、リスクが大きい、ギャンブルと大差ないといったイメージが先行し、積極的にこれに向き合おうとする関心や意欲がわきにくいかもしれない。しかし、ESG投資のように長期的にみて、環境や社会の改善、企業経営の適正化に結びつくという側面があることが理解されれば、投資のイメージもポジティブなものに変わっていくのではないだろうか。 また、積立金の運用については、これまでマスコミ報道も含め短期の運用成績だけに注目が集まりがちであるが、ESG投資への理解が長期の運用に目が向くきっかけになるかもしれない。
※調査結果は当機構 HP(https://www.nensoken.or.jp/publication/research/)より無料で閲覧頂けます。
(2) 第7回ユース年金学会のチーム参加申込の受付開始(2022/09/20)
9月20日より、大学学部学生による年金の研究発表会「第7回ユース年金学会」のチーム参加申込の受付を開始しました。多数のご参加をお待ちしております。奮ってお申込みください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/2022youth-boshu.pdf
●開催日:2022年11月26日(土)
●場所:慶應義塾大学三田キャンパス
●開催形式:対面式を含むハイブリッド
※開催時点における感染状況等に鑑み変更する可能性があります
●参加者:参加資格は、大学の学部生で構成されるチーム(ゼミ、研究グループなど)であって、その指導教員が開催日時点で日本年金学会の会員であることです。なお、チーム構成員に教員や大学院生が加わり発表を行うことは不可とします。
●参加費用:無料
●参加申込み :別紙 1 の参加申込書に必要事項を記入して、日本年金学会事務局にメールで提出してください。
●申込み期間:2022 年9月20日(火)~10月14日(金)
●発表方法:チームごとに20~30分の発表(プレゼン)を行っていただきます。また、あらかじめ5千字程度(A4で4~7枚)の発表要旨を作成して、事務局に送付(これは開催当日の配布資料になります)。
●その他:本年のユース年金学会は慶應義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センターとの共催にて実施いたします。
(3-1) 年金調査研究レポート「アセット・オーナーとしての公的年金とインパクト投資「GPIFインパクト・レポート(仮称)」試論」(三木隆二郎)を公開しました(2022/09/09)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_03.pdf
【要旨】
公的年金運用の目的は、年金加入者が一定年齢に達した後の給付を賄うことである。特に我が国では少子高齢化が急速に進行しており、現役世代の保険料のみで年金給付を賄うだけでなく、一定の積立金を保有してその運用によって得られる運用収入を年金給付に活用している。公的年金の代表格である年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)の積立金残高は2020年度末で200兆円にものぼり、世界の年金の中で最大規模となっている。
GPIF の投資期間は超長期にわたるので、環境や社会に対して企業が及ぼす「負の外部性」が経済的リターン達成を脅かす危険性が重大(material)だとGPIFが認識するならば、未来の年金加入者の生活を支えるために、リターンとリスクに加えてインパクトを含めた三次元でのポートフォリオ管理の必要が生じてくる。また、システミックリスクに対する分散投資効果やリターン向上の機会を提供するという意味でも、さらに、環境問題悪化に対応した新たな規制に対応する意味でもインパクトを考慮する必要が出てきている。さらに、最も大事な受益者である国民の 3/4(回答の4割を占める「わからない」を除く)が「投資収益を確保するならば公的年金の積立金で環境問題や社会問題の解決を考慮する」意味でのインパクト投資に賛成しているという調査結果もある。
そこで本論では外部環境が整って GPIF がインパクト投資を始められると仮定して、その際に発行することになるであろう「GPIFインパクト・レポート(仮称)」におけるインパクト分析のあり方を考察した。まず初めにインパクト投資とESG投資との関係を整理した上で、公的年金がインパクト投資を考える理由について述べた。その後でImpact Investing Institute による「年金のためのインパクト投資原則」(Impact Investing Principles for Pensions)を紹介し、公的年金がインパクト投資を始めるための考え方を整理する。その上で、現在GPIFが行っているインパクト投資と重なる部分のESG投資について、もしインパクト・レポートを出すとした場合の海外事例を参考として、どのようなインパクト評価を分析し開示したらよいのか今後の課題を考察した。
(3-2) 年金調査研究レポート「「年金と投資に関する意識調査」結果の各論 今回新たに追加した設問「インパクト投資」と「ESG投資」との比較」(三木隆二郎)を公開しました(2022/09/09)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_04.pdf
【要旨】
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構(東京 都港区、理事長 高山憲之)は、本年8月25日に「年金と投資に関する意識調査結果」を公表した。今回新たに、インパクト投資の設問を追加したのでその結果を各論として、ESG投資、SDGsとの関連で考察する。
なお、ここでは当意識調査で用いた定義を用い、インパクト投資を「収益を確保しつつ、環境問題や社会問題の解決も追求するという考え方の投資」、ESG投資を「環境や社会、企業の統治(コーポレート・ガバナンス)を考慮した投資」としている。
(3-3) 年金調査研究レポート「年金と投資に関する国民の意識について」(福山圭一)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_05.pdf
【要旨】
年金シニアプラン総合研究機構ではこの度「年金と投資に関する国民の意識調査」を行った。主眼はESG投資に関する一般国民の意識を調査することにある。性、年齢層、居住地域、学歴について、2020年国勢調査の結果に基づき対象者を割り付けた。ただし、これら以外は、必ずしも日本の状況を反映しているわけではない。また、間違いと思われる回答も少なくないが、それが一般国民の意識なのであり、それらを含む全体を分析対象にする。
調査結果では、「わからない」という回答が多かったことから、先ずこれについて検討した。今回調査で「わからない」を回答肢に含む質問は 29 あるが、公的年金の加入・受給、企業年金・個人年金の加入・受給、政府のCO2対策は比較的独立性があり、投資やESG関連の質問間ではかなり相互関連性がある。
幾つかの「わからない」との回答を取り上げ、この回答をする者を規定する要因をロジスティック回帰分析によって探索した。また、ESG投資に関する希望について「わからない」と積極・消極の希望表明との行き来の要因を多項ロジット回帰分析によって探索した。なお、「わからない」と回答した者は、何らの意向も表明していないので、「わからない」の分析はあくまで前置きである。
年金や投資に関し一般国民の意識を把握するという本調査の目的に沿った分析として、「わからない」以外の何らかの意向を表明した回答者を対象に、ESG 投資への希望やその進め方、公的年金の株式運用に対する見解及び政府のCO2対策に対する評価について、重回帰分析によって要因を明らかにすることを試みた。
回帰分析全体を総合して、最も重要度が大きい説明変数は、SDGsの関心度であり、重回帰分析で圧倒的な影響力を見せ、また、強く有意に「わからない」の減少要因になっている。続いて、公的年金株式運用の認知度、投資経験、将来の暮らしの見通し、年齢層などが続いている。普及啓発として、SDGsへの関心を喚起することなどによって、ESG投資などの積極的な理解促進と「わからない」を減らす大きな効果が見込めるだろう。
(3-4) 年金調査研究レポート「年金と投資に関する意識調査における公的年金・私的年金の 加入状況と積立金運用に対する意識について」(西岡隆)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_06.pdf
【要旨】
年金シニアプラン総合研究機構ではこの度「年金と投資に関する国民の意識調査」を行った。公的年金積立金による ESG 投資が始まるなど環境変化があるものの、依然として、7割の者は ESG 投資のことを全く知らないとしている。また、公的年金の積立金が市場運用されていることを知らない者は4割超いる。なかでも、自分が公的年金、私的年金について、どの制度に加入しているのかを知らない者が一定数おり、その者に関しては、これらの質問に「わからない」と答えた割合が7割以上になっている。
一方で、企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)加入者は、これらの認知度が比較的高くなっており、確定拠出年金制度における投資教育の効果などが影響している可能性がある。また、投資経験のある者について、これらの認知度が高くなっている。
ESG 投資の認知度を上げたり、公的年金の積立金運用に対する理解を高めたりするために、まずは、自分がどの制度に加入しているかを認識し、一人一人が自分の老後をイメージできるようにすることが重要である。
(3-5) 年金調査研究レポート「2021年度のGPIFの年金積立金運用に関する考察」(石尾勝)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_07.pdf
【要旨】
〇年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIFと呼ぶ)による2021年度の年金積立金の運用収益は、収益率で約5.42%、金額で約10兆円のプラスであった。 これは消費税収の約5%分に相当する。積立金運用総額は約202.7兆円になった。 「基本ポートフォリオ」の内外株式へのシフト、国内金利のゼロ水準での推移により、内外株式がキャピタルゲインとともにインカムゲインも支える構造が続いているが、先行き次第では減配・無配というリターン低下リスクにも留意したい。
〇年金積立金の運用は、年金財政の観点から、名目賃金上昇率を上回る実質的な運用利回りが重要だが、実績は設定水準(+1.7%)を上回っている。 2000年代以降、国内経済のデフレ傾向が続き、賃金が上昇しない経済メカニズムが形成されるなかで運用が行われてきたことを考えると、これまでの積立金運用は、年金財政の観点からはたいへん有利な状況での戦いであったと言えよう。
〇市場のボラティリティが高まり、運用のリスク管理が一層重要になるなか、資産配分のリバランスにおける株価指数先物の利用、中国国債のベンチマークからの除外・ロシア関連資産の保有削減、等の対策を取っていることは評価できる。
〇オルタナティブ資産への投資はインフラストラクチャー、プライベート・エクイティ、不動産であるが、2021年度末の積立金全体に占める割合は約1%に達し、投資手法や対象によっては、客観的に評価できるようになりつつあると言える。
〇ESG投資については、ESG投資のあり方自体にまだ様々な議論があり、年金積立金の運用の中でESG投資をどう位置づけるかについても試行錯誤しているところが見受けられる。適切な視点で合理的・客観的に、この部分の運用評価ができるのは、もう少し先になってからであろう。
〇「スタートアップへの投資」に関しての動きは、政権の政策方針とGPIFの運 用の方向との関係が注目される。その場合も、公的年金の積立金の運用は、専ら 被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うものであり、その目的をしっかり と踏まえた運用を行うことが求められることを忘れてはならない。
(4) 年金シニアプランコラム「最近の日本における75歳以上の就業実態は、どうなっている」(高山憲之)を公開しました(2022/09/27)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc20.pdf
【要旨】
男女とも高齢者の約25%が75歳超になっても就業したがっていた/就業率が50%を割るのは男性が70歳前後、女性65歳前後であった/男女計で見た2020年における75歳以上の就業者数は約200万人、80歳以上が80万人弱であった/同時点における75歳以上の専業主夫数は55万人強であり、男性サラリーマン30万人強より多かった一方、専業主婦290万人強の20%弱に過ぎなかった/男性の場合、60-64 歳層においても正規従業員数がサラリーマン全体の70%強を占めており、通説に反する結果となっていた
2. 年金ライフプランセミナー
■年金ライフプランセミナー(11月18日)の残席が少なくなっております。参加ご検討中の方はお申込みをお急ぎください。また、ご好評にお応えして対面式セミナーの追加開催(10月14日)が決定しました。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/50s/
■2022年度の「年金ライフプランセミナー」ならびに「年金ライフプラン事務局・講師養成セミナー」の参加お申込み受付中です。ライフプランセミナーのページを更新し、セミナー内容をご紹介する動画を公開しております。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
◆講読の中止
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年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
〒108-0074 港区高輪1丁目3-13 NBF高輪ビル4F
TEL 03-5793-9411
URL https://www.nensoken.or.jp/
お問い合わせ https://www.nensoken.or.jp/contact/
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No.44 (2022/09/28)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2022/08/24~09/27)
(1) 「年金と投資に関する意識調査結果」の公表
(2) 第7回ユース年金学会のチーム参加申込の受付開始
(3) 年金調査研究レポートの公開
(4) 年金シニアプランコラムの公開
2.年金ライフプランセミナー:
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2022/08/24~09/27)
(1)「年金と投資に関する意識調査結果」を公表しました。 (2022/08/25)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20220825pressrelease.pdf
【要旨】
前回調査から5 年を経過したことから、ESG投資に関連する事項を含め、年金と投資に関する一般国民の意識を把握することを目的に、全国の20歳以上の者4,500人を対象にアンケート調査を行った。前回調査の5年前と比べるとESG投資を取り巻く状況は、公的年金積立金によるESG投資が始まって5年になる等の変化があった。今回の調査によるとESG投資について知っていたのは10.5%、これに「言葉だけは聞いたことがある」を加えると30.7%であった。前回調査では知っていたのは5.0%、「聞いたことはあった」を加えると14.3%であったので大幅な増加となったものの、一般国民の7割はまだまったく知らないと回答している。 一方、年金積立金が市場運用されていることを知らない者は4割超おり、本調査結果は加入者や受給者という当事者である国民の意識が積立金の運用においてはいまだ十分に定着していない状況を示している。 一般の日本人にとって「投資」と言うと、難しい、リスクが大きい、ギャンブルと大差ないといったイメージが先行し、積極的にこれに向き合おうとする関心や意欲がわきにくいかもしれない。しかし、ESG投資のように長期的にみて、環境や社会の改善、企業経営の適正化に結びつくという側面があることが理解されれば、投資のイメージもポジティブなものに変わっていくのではないだろうか。 また、積立金の運用については、これまでマスコミ報道も含め短期の運用成績だけに注目が集まりがちであるが、ESG投資への理解が長期の運用に目が向くきっかけになるかもしれない。
※調査結果は当機構 HP(https://www.nensoken.or.jp/publication/research/)より無料で閲覧頂けます。
(2) 第7回ユース年金学会のチーム参加申込の受付開始(2022/09/20)
9月20日より、大学学部学生による年金の研究発表会「第7回ユース年金学会」のチーム参加申込の受付を開始しました。多数のご参加をお待ちしております。奮ってお申込みください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/2022youth-boshu.pdf
●開催日:2022年11月26日(土)
●場所:慶應義塾大学三田キャンパス
●開催形式:対面式を含むハイブリッド
※開催時点における感染状況等に鑑み変更する可能性があります
●参加者:参加資格は、大学の学部生で構成されるチーム(ゼミ、研究グループなど)であって、その指導教員が開催日時点で日本年金学会の会員であることです。なお、チーム構成員に教員や大学院生が加わり発表を行うことは不可とします。
●参加費用:無料
●参加申込み :別紙 1 の参加申込書に必要事項を記入して、日本年金学会事務局にメールで提出してください。
●申込み期間:2022 年9月20日(火)~10月14日(金)
●発表方法:チームごとに20~30分の発表(プレゼン)を行っていただきます。また、あらかじめ5千字程度(A4で4~7枚)の発表要旨を作成して、事務局に送付(これは開催当日の配布資料になります)。
●その他:本年のユース年金学会は慶應義塾大学ファイナンシャル・ジェロントロジー研究センターとの共催にて実施いたします。
(3-1) 年金調査研究レポート「アセット・オーナーとしての公的年金とインパクト投資「GPIFインパクト・レポート(仮称)」試論」(三木隆二郎)を公開しました(2022/09/09)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_03.pdf
【要旨】
公的年金運用の目的は、年金加入者が一定年齢に達した後の給付を賄うことである。特に我が国では少子高齢化が急速に進行しており、現役世代の保険料のみで年金給付を賄うだけでなく、一定の積立金を保有してその運用によって得られる運用収入を年金給付に活用している。公的年金の代表格である年金積立金管理運用独立行政法人(以下GPIF)の積立金残高は2020年度末で200兆円にものぼり、世界の年金の中で最大規模となっている。
GPIF の投資期間は超長期にわたるので、環境や社会に対して企業が及ぼす「負の外部性」が経済的リターン達成を脅かす危険性が重大(material)だとGPIFが認識するならば、未来の年金加入者の生活を支えるために、リターンとリスクに加えてインパクトを含めた三次元でのポートフォリオ管理の必要が生じてくる。また、システミックリスクに対する分散投資効果やリターン向上の機会を提供するという意味でも、さらに、環境問題悪化に対応した新たな規制に対応する意味でもインパクトを考慮する必要が出てきている。さらに、最も大事な受益者である国民の 3/4(回答の4割を占める「わからない」を除く)が「投資収益を確保するならば公的年金の積立金で環境問題や社会問題の解決を考慮する」意味でのインパクト投資に賛成しているという調査結果もある。
そこで本論では外部環境が整って GPIF がインパクト投資を始められると仮定して、その際に発行することになるであろう「GPIFインパクト・レポート(仮称)」におけるインパクト分析のあり方を考察した。まず初めにインパクト投資とESG投資との関係を整理した上で、公的年金がインパクト投資を考える理由について述べた。その後でImpact Investing Institute による「年金のためのインパクト投資原則」(Impact Investing Principles for Pensions)を紹介し、公的年金がインパクト投資を始めるための考え方を整理する。その上で、現在GPIFが行っているインパクト投資と重なる部分のESG投資について、もしインパクト・レポートを出すとした場合の海外事例を参考として、どのようなインパクト評価を分析し開示したらよいのか今後の課題を考察した。
(3-2) 年金調査研究レポート「「年金と投資に関する意識調査」結果の各論 今回新たに追加した設問「インパクト投資」と「ESG投資」との比較」(三木隆二郎)を公開しました(2022/09/09)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_04.pdf
【要旨】
公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構(東京 都港区、理事長 高山憲之)は、本年8月25日に「年金と投資に関する意識調査結果」を公表した。今回新たに、インパクト投資の設問を追加したのでその結果を各論として、ESG投資、SDGsとの関連で考察する。
なお、ここでは当意識調査で用いた定義を用い、インパクト投資を「収益を確保しつつ、環境問題や社会問題の解決も追求するという考え方の投資」、ESG投資を「環境や社会、企業の統治(コーポレート・ガバナンス)を考慮した投資」としている。
(3-3) 年金調査研究レポート「年金と投資に関する国民の意識について」(福山圭一)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_05.pdf
【要旨】
年金シニアプラン総合研究機構ではこの度「年金と投資に関する国民の意識調査」を行った。主眼はESG投資に関する一般国民の意識を調査することにある。性、年齢層、居住地域、学歴について、2020年国勢調査の結果に基づき対象者を割り付けた。ただし、これら以外は、必ずしも日本の状況を反映しているわけではない。また、間違いと思われる回答も少なくないが、それが一般国民の意識なのであり、それらを含む全体を分析対象にする。
調査結果では、「わからない」という回答が多かったことから、先ずこれについて検討した。今回調査で「わからない」を回答肢に含む質問は 29 あるが、公的年金の加入・受給、企業年金・個人年金の加入・受給、政府のCO2対策は比較的独立性があり、投資やESG関連の質問間ではかなり相互関連性がある。
幾つかの「わからない」との回答を取り上げ、この回答をする者を規定する要因をロジスティック回帰分析によって探索した。また、ESG投資に関する希望について「わからない」と積極・消極の希望表明との行き来の要因を多項ロジット回帰分析によって探索した。なお、「わからない」と回答した者は、何らの意向も表明していないので、「わからない」の分析はあくまで前置きである。
年金や投資に関し一般国民の意識を把握するという本調査の目的に沿った分析として、「わからない」以外の何らかの意向を表明した回答者を対象に、ESG 投資への希望やその進め方、公的年金の株式運用に対する見解及び政府のCO2対策に対する評価について、重回帰分析によって要因を明らかにすることを試みた。
回帰分析全体を総合して、最も重要度が大きい説明変数は、SDGsの関心度であり、重回帰分析で圧倒的な影響力を見せ、また、強く有意に「わからない」の減少要因になっている。続いて、公的年金株式運用の認知度、投資経験、将来の暮らしの見通し、年齢層などが続いている。普及啓発として、SDGsへの関心を喚起することなどによって、ESG投資などの積極的な理解促進と「わからない」を減らす大きな効果が見込めるだろう。
(3-4) 年金調査研究レポート「年金と投資に関する意識調査における公的年金・私的年金の 加入状況と積立金運用に対する意識について」(西岡隆)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_06.pdf
【要旨】
年金シニアプラン総合研究機構ではこの度「年金と投資に関する国民の意識調査」を行った。公的年金積立金による ESG 投資が始まるなど環境変化があるものの、依然として、7割の者は ESG 投資のことを全く知らないとしている。また、公的年金の積立金が市場運用されていることを知らない者は4割超いる。なかでも、自分が公的年金、私的年金について、どの制度に加入しているのかを知らない者が一定数おり、その者に関しては、これらの質問に「わからない」と答えた割合が7割以上になっている。
一方で、企業型確定拠出年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)加入者は、これらの認知度が比較的高くなっており、確定拠出年金制度における投資教育の効果などが影響している可能性がある。また、投資経験のある者について、これらの認知度が高くなっている。
ESG 投資の認知度を上げたり、公的年金の積立金運用に対する理解を高めたりするために、まずは、自分がどの制度に加入しているかを認識し、一人一人が自分の老後をイメージできるようにすることが重要である。
(3-5) 年金調査研究レポート「2021年度のGPIFの年金積立金運用に関する考察」(石尾勝)を公開しました(2022/09/16)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r04_07.pdf
【要旨】
〇年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIFと呼ぶ)による2021年度の年金積立金の運用収益は、収益率で約5.42%、金額で約10兆円のプラスであった。 これは消費税収の約5%分に相当する。積立金運用総額は約202.7兆円になった。 「基本ポートフォリオ」の内外株式へのシフト、国内金利のゼロ水準での推移により、内外株式がキャピタルゲインとともにインカムゲインも支える構造が続いているが、先行き次第では減配・無配というリターン低下リスクにも留意したい。
〇年金積立金の運用は、年金財政の観点から、名目賃金上昇率を上回る実質的な運用利回りが重要だが、実績は設定水準(+1.7%)を上回っている。 2000年代以降、国内経済のデフレ傾向が続き、賃金が上昇しない経済メカニズムが形成されるなかで運用が行われてきたことを考えると、これまでの積立金運用は、年金財政の観点からはたいへん有利な状況での戦いであったと言えよう。
〇市場のボラティリティが高まり、運用のリスク管理が一層重要になるなか、資産配分のリバランスにおける株価指数先物の利用、中国国債のベンチマークからの除外・ロシア関連資産の保有削減、等の対策を取っていることは評価できる。
〇オルタナティブ資産への投資はインフラストラクチャー、プライベート・エクイティ、不動産であるが、2021年度末の積立金全体に占める割合は約1%に達し、投資手法や対象によっては、客観的に評価できるようになりつつあると言える。
〇ESG投資については、ESG投資のあり方自体にまだ様々な議論があり、年金積立金の運用の中でESG投資をどう位置づけるかについても試行錯誤しているところが見受けられる。適切な視点で合理的・客観的に、この部分の運用評価ができるのは、もう少し先になってからであろう。
〇「スタートアップへの投資」に関しての動きは、政権の政策方針とGPIFの運 用の方向との関係が注目される。その場合も、公的年金の積立金の運用は、専ら 被保険者の利益のために安全かつ効率的に行うものであり、その目的をしっかり と踏まえた運用を行うことが求められることを忘れてはならない。
(4) 年金シニアプランコラム「最近の日本における75歳以上の就業実態は、どうなっている」(高山憲之)を公開しました(2022/09/27)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc20.pdf
【要旨】
男女とも高齢者の約25%が75歳超になっても就業したがっていた/就業率が50%を割るのは男性が70歳前後、女性65歳前後であった/男女計で見た2020年における75歳以上の就業者数は約200万人、80歳以上が80万人弱であった/同時点における75歳以上の専業主夫数は55万人強であり、男性サラリーマン30万人強より多かった一方、専業主婦290万人強の20%弱に過ぎなかった/男性の場合、60-64 歳層においても正規従業員数がサラリーマン全体の70%強を占めており、通説に反する結果となっていた
2. 年金ライフプランセミナー
■年金ライフプランセミナー(11月18日)の残席が少なくなっております。参加ご検討中の方はお申込みをお急ぎください。また、ご好評にお応えして対面式セミナーの追加開催(10月14日)が決定しました。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/50s/
■2022年度の「年金ライフプランセミナー」ならびに「年金ライフプラン事務局・講師養成セミナー」の参加お申込み受付中です。ライフプランセミナーのページを更新し、セミナー内容をご紹介する動画を公開しております。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
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