年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン No.33(2021/10/27)
2021/10/27 (Wed) 11:00
年総研メルマガ No.33 (2021/10/27)
ご愛読、誠にありがとうございます。
本メールマガジンは、これまで年金シニアプラン総合研究機構とご縁のある皆様にご送付させていただきました。
ご不要の際はどうかご海容下さるようお願い申し上げます。
ご購読を直ちに中止なさる場合は、誠に恐縮ですが、下記のURLからお手続き下さるよう伏してお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=nensoken&task=cancel
目次
1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2021/09/29~10/26)
(1) 年金シニアプランフォーラム2021(10/1 ZOOM配信)盛況のうちに終了
(2) 「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」について公表
(3) 「TOKYO金融カンファレンス2021」特設サイトのオープン
(4) 年金シニアプランコラムの公開
(5) 調査研究レポートの公開
2.年金ライフプランセミナー:
・ライフプランセミナー開催支援のご案内
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2021/09/29~10/26)
(1) 年金シニアプランフォーラム2021「確定拠出年金制度20周年記念フォーラム」は、10月1日に盛況のうちに終了しました。多数のご視聴ありがとうございました (2021/10/01)
https://www.nensoken.or.jp/news/forum20211001
去る10月1日(金) 年金シニアプランフォーラム2021「確定拠出年金制度20周年記念フォーラム」(ZOOMウェビナー開催)は、300名を超える方々のご登録をいただいて、盛況のうちに終了いたしました。
当日は、通信環境の乱れ等によりお聞き苦しい点もございましたが、今後ともこれらを改善しながら、さらに有意義なフォーラムを企画していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
なお、当フォーラムに関する特集記事が「週刊社会保障」誌(10月11日号)に掲載されました。
(2) 「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」について公表 (2021/10/04)
https://toyokeizai.net/sp/sm/tfc2021/
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構(東京都港区、理事長高山憲之)は、企業年金連合会(東京都港区、理事長鮫島正大)と共同して、去る10月1日、「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」を月刊「企業年金」2021年10月号(発行/企業年金連合会)にて公表しました。
確定拠出年金については、老後の所得保障を支援する制度として近年関心が高まっておりますが、その実情をより詳細に把握するため、当機構では厚生労働省に対して行政文書開示請求に行って「確定拠出年金運営管理機関業務報告書」を入手し集計・分析を進めておりました。さらに当機構は,企業年金に関し調査研究実績のある企業年金連合会と共同して分析を深め、今般その成果を公表することとした次第です。
・月刊「企業年金」2021年10月号:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20211004kigyonenkin-dc.pdf
・「確定拠出年金運営管理機関業務報告書」:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20211004dc-shukei.pdf
(3) 「TOKYO金融カンファレンス2021」特設サイトがオープンしました (2021/10/12)
https://toyokeizai.net/sp/sm/tfc2021/
当カンファレンスはストリーミング配信・参加費無料で11月5日(金)・12日(金)・12月10日(金)に開催されます。ぜひご参加をご検討ください。 カンファレンスの詳細はリンク先にてご確認ください。
(4-1) 年金シニアプランコラム「日本の中高年者は、本人が受給する予定の老齢年金月額がいくらになるかを知っているか:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その1)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/06)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc08.pdf
【要旨】
2019年5月、日本では、いわゆる「老後資金2000万円不足問題」が提起され、さまざまな議論が展開された。問題提起にあたって金融庁レポートは、「老後の生活設計にあたり、受給予定の老齢年金月額(公的年金)を各当事者は皆、正確に把握している」と暗黙裡に想定していたふしがある。
この想定は現実的かつ妥当である、と言えるだろうか。本稿では、2021年1月13日、14日の両日に実施された「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果を利用して、そのような想定の是非を明らかにする。結論を先に述べると、老齢年金の受給が間近に迫っている60~74歳の中高年者(調査時点では未受給者)であっても、その答えは概ね“No”であった。
(4-2) 年金シニアプランコラム「配偶者が受給中の老齢年金月額を把握している中高年者は56%:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その2)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc09.pdf
【要旨】
日本における有配偶世帯の場合、老後の生活は夫婦が一緒になって世帯単位で設計する。これが、これまでのところ一般的だったと思われる。無論、共働きが当たり前となった現在、中年以下の世代では、夫婦一緒ではなく、夫と妻がそれぞれ単独に老後の生活を設計するという事例が増えている可能性が大きい。
現在の中高年者(60~74歳)は、配偶者のことを、どこまで把握しているのだろうか。本稿では、手始めに、まず、配偶者の老齢年金関連事項について調べてみることにした。利用したデータは「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」(2021年1月実施)である。
(4-3) 年金シニアプランコラム「配偶者の金融資産保有額を把握していない中高年者は半数に近い:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その3)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/19)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc10.pdf
【要旨】
配偶者の老齢年金受給については、すでに上記のコラム(4-2)で、中高年者本人がどこまで把握しているかを紹介した。本稿では、配偶者の年収額や金融資産の保有額等について、中高年者本人がどの程度まで知っているか、その調査結果を報告する。利用したデータは「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」(2021年1月実施)である。ここで、中高年者とは、年齢が60~74歳の人を指す。
(4-4) 年金シニアプランコラム「困ったとき、あなたの配偶者は、あなたを助けてくれるか:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その4)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/26)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc11.pdf
【要旨】
中高年夫婦については、さらに紹介したいことが、もう1点ある。それは、中高年者本人(60~74歳)が病気・介護や家事で困ったときに、配偶者は助けてくれるか、という設問に対する回答にほかならない。
中高年夫婦は、長年にわたって連れ添ってきたカップルが圧倒的に多い、と考えてよいだろう。互いに信頼し、助けあいながら、安らぎを覚えつつ、日々の生活を送っているケースが一般的ではないか。そして、いったん、困ることが生じれば、その窮状に対して配偶者は真っ先に手を差し伸べることが期待されている。
実態は、どうか。この点を調べた調査があったので、本稿では、その調査結果を報告する。さらに、関連設問への回答結果についても、併せて紹介しておきたい。
(5-1) 年金調査研究レポート「監査役の英文呼称と日本のコーポレートガバナンス」(三木隆二郎)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r03_04.pdf
【要旨】
監査役の英語訳として“Statutory Auditor”や“Corporate Auditor が使われることが多い。一方、日本監査役協会では”Audit & Supervisory Board Member“と 2012 年に定めているがコーポレートガバナンス・コードでは Kansayaku と原語ローマ字表記を使っている。
監査役は約 130 年前に経営監督機能と会計監査機能を持つ役職として欧州から導入された。一時、経営監督機能は外されたこともあったが、我が国では度重なる不正のたびに取締役会による経営監督の機能不全が露呈されたため、監査役の機能は強化され、一貫して監査役による経営監視を強化する方向性でガバナンス向上が図られてきたという経緯がある。たとえば 2021 年のコーポレートガバナンス・コードの改訂でも、株主との対話の対象者に監査役が追加されるなど、日本のコーポレートガバナンス向上の歴史の中で、監査役には常に大きな期待が寄せられてきた。
しかし、日本の年金基金が委託することも多い海外の運用機関の中には、監査役が果たしている(あるいは果たすことができる)役割について必ずしも十分な理解をしていないところが多く、そもそも監査役とは何か、監査役の意義が何かは、日本のコーポレートガバナンスを理解しようとする際の大きなブラックホールとなっている。
拙論は、コーポレートガバナンスはそれぞれの文化に深く根ざしており、どのやり方が一番優れているかとか、コーポレートガバナンスのシステムに関して「どの国にもフィットするグローバルなベストプラクティス」というものは存在しない、という前提に立脚して議論を展開している。
日本のコーポレートガバナンスの文脈で監査役が果たすユニークな役割を考慮して、本論では “Statutory Auditor”、“Audit & Supervisory Board Member”の代わりに“KANSAYAKU”を使用することを提唱する。
コーポレートガバナンス向上の目的が最終的には「中長期的な企業価値の向上」だとしても、適切な経営管理・リスク管理を行うことがその大前提だとするならば、独立取締役よりも経営者の不正を防止できる法的権限を持つ監査役に、海外投資家はもっと大きな注目をすべきであると強調したい。年金基金の委託先である内外の日本株投資家にとっても、企業スキャンダルによる株価暴落というような「負の驚き」を避ける上で、監査役との協力関係を築くことは肝要だと考えるので、企業に対してコーポレートガバナンスをテーマにしたエンゲージメントをする際に聞くべき内容についても私案を付している。(なお、本論はCFA 協会の電子図書館(ARX)にも和英両文を掲載する予定)
(5-2) 年金調査研究レポート「GPIFの年金積立金運用(2020年度実績)に関する考察」(石尾勝)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r03_04-1.pdf
【要旨】
・2020年度の公的年金積立金の運用収益は過去最高の約37兆8千億円のプラスで、これは消費税約15%分に相当し、一般会計・社会保障関係費全体をも上回るが、統計的検定の尺度では、期待リターン+リスク2σの上限近くで収まっている。
運用の評価は、市場ベンチマーク等との比較に加え、年金財政の観点から、名目賃金上昇率を上回る利回り(実質的な運用利回り)の達成度が重要であるが、その実績は設定された水準(+1.7%)を上回っている。
・国内金利の低下に加え、基本ポートフォリオの変更の影響で、国内債券はもはやインカムゲインを稼ぐ中核的資産ではなく、外国債券に加え内外株式がキャピタルゲインだけでなくインカムゲインも支える構造になっている。
・2020年4月に「基本ポートフォリオ」を見直し、国内債券を引き下げて(35%→25%)、外国債券を引き上げている(15%→25%)が、予定積立金額を確保できないリスクは約40%の確率がある。なお、全額国内債券と比較評価するよりも、全額株式やオルタナティブ資産を増やした場合等を確認する方が有益であろう。
・オルタナティブ資産の投資対象はインフラストラクチャー、プライベート・エクイティ、不動産であるが、2020年度末の積立金全体に占める割合は約0.7%にとどまる。パフォーマンスについては、投資を開始してから未だ日も浅く、全体として評価するのは時期尚早だろう。コスト面、運用リスク管理面、オペレーション運営面等で留意点も多く、管理運用体制の充実強化が不可欠である。
・運用による積立金残高の変動は大きなものとなっており、仮に大幅なマイナスの収益を年度決算で計上した場合、公的年金の市場運用に対する社会や国民からのネガティブな反応も懸念される。実質的な運用利回りを上回りつつ下方リスクにも十分配慮した積立金の管理・運用を行うことが望ましい。
また、年金積立金の最終的な命題は年金給付のための安定的なキャッシュフロー の確保であり、運用の高度化に加えて、将来の安定的なキャッシュフローの確保 に向けたより一層の努力と工夫が求められるのではないか。
2. 年金ライフプランセミナー
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
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公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
〒108-0074 港区高輪1丁目3-13 NBF高輪ビル4F
TEL 03-5793-9411
URL https://www.nensoken.or.jp/
お問い合わせ https://www.nensoken.or.jp/contact/
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2021/09/29~10/26)
(1) 年金シニアプランフォーラム2021(10/1 ZOOM配信)盛況のうちに終了
(2) 「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」について公表
(3) 「TOKYO金融カンファレンス2021」特設サイトのオープン
(4) 年金シニアプランコラムの公開
(5) 調査研究レポートの公開
2.年金ライフプランセミナー:
・ライフプランセミナー開催支援のご案内
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2021/09/29~10/26)
(1) 年金シニアプランフォーラム2021「確定拠出年金制度20周年記念フォーラム」は、10月1日に盛況のうちに終了しました。多数のご視聴ありがとうございました (2021/10/01)
https://www.nensoken.or.jp/news/forum20211001
去る10月1日(金) 年金シニアプランフォーラム2021「確定拠出年金制度20周年記念フォーラム」(ZOOMウェビナー開催)は、300名を超える方々のご登録をいただいて、盛況のうちに終了いたしました。
当日は、通信環境の乱れ等によりお聞き苦しい点もございましたが、今後ともこれらを改善しながら、さらに有意義なフォーラムを企画していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
なお、当フォーラムに関する特集記事が「週刊社会保障」誌(10月11日号)に掲載されました。
(2) 「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」について公表 (2021/10/04)
https://toyokeizai.net/sp/sm/tfc2021/
公益財団法人年金シニアプラン総合研究機構(東京都港区、理事長高山憲之)は、企業年金連合会(東京都港区、理事長鮫島正大)と共同して、去る10月1日、「確定拠出年金運営管理機関業務報告書からみた確定拠出年金の現状と課題」を月刊「企業年金」2021年10月号(発行/企業年金連合会)にて公表しました。
確定拠出年金については、老後の所得保障を支援する制度として近年関心が高まっておりますが、その実情をより詳細に把握するため、当機構では厚生労働省に対して行政文書開示請求に行って「確定拠出年金運営管理機関業務報告書」を入手し集計・分析を進めておりました。さらに当機構は,企業年金に関し調査研究実績のある企業年金連合会と共同して分析を深め、今般その成果を公表することとした次第です。
・月刊「企業年金」2021年10月号:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20211004kigyonenkin-dc.pdf
・「確定拠出年金運営管理機関業務報告書」:https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20211004dc-shukei.pdf
(3) 「TOKYO金融カンファレンス2021」特設サイトがオープンしました (2021/10/12)
https://toyokeizai.net/sp/sm/tfc2021/
当カンファレンスはストリーミング配信・参加費無料で11月5日(金)・12日(金)・12月10日(金)に開催されます。ぜひご参加をご検討ください。 カンファレンスの詳細はリンク先にてご確認ください。
(4-1) 年金シニアプランコラム「日本の中高年者は、本人が受給する予定の老齢年金月額がいくらになるかを知っているか:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その1)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/06)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc08.pdf
【要旨】
2019年5月、日本では、いわゆる「老後資金2000万円不足問題」が提起され、さまざまな議論が展開された。問題提起にあたって金融庁レポートは、「老後の生活設計にあたり、受給予定の老齢年金月額(公的年金)を各当事者は皆、正確に把握している」と暗黙裡に想定していたふしがある。
この想定は現実的かつ妥当である、と言えるだろうか。本稿では、2021年1月13日、14日の両日に実施された「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果を利用して、そのような想定の是非を明らかにする。結論を先に述べると、老齢年金の受給が間近に迫っている60~74歳の中高年者(調査時点では未受給者)であっても、その答えは概ね“No”であった。
(4-2) 年金シニアプランコラム「配偶者が受給中の老齢年金月額を把握している中高年者は56%:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その2)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc09.pdf
【要旨】
日本における有配偶世帯の場合、老後の生活は夫婦が一緒になって世帯単位で設計する。これが、これまでのところ一般的だったと思われる。無論、共働きが当たり前となった現在、中年以下の世代では、夫婦一緒ではなく、夫と妻がそれぞれ単独に老後の生活を設計するという事例が増えている可能性が大きい。
現在の中高年者(60~74歳)は、配偶者のことを、どこまで把握しているのだろうか。本稿では、手始めに、まず、配偶者の老齢年金関連事項について調べてみることにした。利用したデータは「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」(2021年1月実施)である。
(4-3) 年金シニアプランコラム「配偶者の金融資産保有額を把握していない中高年者は半数に近い:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その3)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/19)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc10.pdf
【要旨】
配偶者の老齢年金受給については、すでに上記のコラム(4-2)で、中高年者本人がどこまで把握しているかを紹介した。本稿では、配偶者の年収額や金融資産の保有額等について、中高年者本人がどの程度まで知っているか、その調査結果を報告する。利用したデータは「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」(2021年1月実施)である。ここで、中高年者とは、年齢が60~74歳の人を指す。
(4-4) 年金シニアプランコラム「困ったとき、あなたの配偶者は、あなたを助けてくれるか:「くらしと仕事に関する中高年インターネット調査」の調査結果(その4)」(高山憲之)を公開しました(2021/10/26)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc11.pdf
【要旨】
中高年夫婦については、さらに紹介したいことが、もう1点ある。それは、中高年者本人(60~74歳)が病気・介護や家事で困ったときに、配偶者は助けてくれるか、という設問に対する回答にほかならない。
中高年夫婦は、長年にわたって連れ添ってきたカップルが圧倒的に多い、と考えてよいだろう。互いに信頼し、助けあいながら、安らぎを覚えつつ、日々の生活を送っているケースが一般的ではないか。そして、いったん、困ることが生じれば、その窮状に対して配偶者は真っ先に手を差し伸べることが期待されている。
実態は、どうか。この点を調べた調査があったので、本稿では、その調査結果を報告する。さらに、関連設問への回答結果についても、併せて紹介しておきたい。
(5-1) 年金調査研究レポート「監査役の英文呼称と日本のコーポレートガバナンス」(三木隆二郎)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r03_04.pdf
【要旨】
監査役の英語訳として“Statutory Auditor”や“Corporate Auditor が使われることが多い。一方、日本監査役協会では”Audit & Supervisory Board Member“と 2012 年に定めているがコーポレートガバナンス・コードでは Kansayaku と原語ローマ字表記を使っている。
監査役は約 130 年前に経営監督機能と会計監査機能を持つ役職として欧州から導入された。一時、経営監督機能は外されたこともあったが、我が国では度重なる不正のたびに取締役会による経営監督の機能不全が露呈されたため、監査役の機能は強化され、一貫して監査役による経営監視を強化する方向性でガバナンス向上が図られてきたという経緯がある。たとえば 2021 年のコーポレートガバナンス・コードの改訂でも、株主との対話の対象者に監査役が追加されるなど、日本のコーポレートガバナンス向上の歴史の中で、監査役には常に大きな期待が寄せられてきた。
しかし、日本の年金基金が委託することも多い海外の運用機関の中には、監査役が果たしている(あるいは果たすことができる)役割について必ずしも十分な理解をしていないところが多く、そもそも監査役とは何か、監査役の意義が何かは、日本のコーポレートガバナンスを理解しようとする際の大きなブラックホールとなっている。
拙論は、コーポレートガバナンスはそれぞれの文化に深く根ざしており、どのやり方が一番優れているかとか、コーポレートガバナンスのシステムに関して「どの国にもフィットするグローバルなベストプラクティス」というものは存在しない、という前提に立脚して議論を展開している。
日本のコーポレートガバナンスの文脈で監査役が果たすユニークな役割を考慮して、本論では “Statutory Auditor”、“Audit & Supervisory Board Member”の代わりに“KANSAYAKU”を使用することを提唱する。
コーポレートガバナンス向上の目的が最終的には「中長期的な企業価値の向上」だとしても、適切な経営管理・リスク管理を行うことがその大前提だとするならば、独立取締役よりも経営者の不正を防止できる法的権限を持つ監査役に、海外投資家はもっと大きな注目をすべきであると強調したい。年金基金の委託先である内外の日本株投資家にとっても、企業スキャンダルによる株価暴落というような「負の驚き」を避ける上で、監査役との協力関係を築くことは肝要だと考えるので、企業に対してコーポレートガバナンスをテーマにしたエンゲージメントをする際に聞くべき内容についても私案を付している。(なお、本論はCFA 協会の電子図書館(ARX)にも和英両文を掲載する予定)
(5-2) 年金調査研究レポート「GPIFの年金積立金運用(2020年度実績)に関する考察」(石尾勝)を公開しました(2021/10/12)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r03_04-1.pdf
【要旨】
・2020年度の公的年金積立金の運用収益は過去最高の約37兆8千億円のプラスで、これは消費税約15%分に相当し、一般会計・社会保障関係費全体をも上回るが、統計的検定の尺度では、期待リターン+リスク2σの上限近くで収まっている。
運用の評価は、市場ベンチマーク等との比較に加え、年金財政の観点から、名目賃金上昇率を上回る利回り(実質的な運用利回り)の達成度が重要であるが、その実績は設定された水準(+1.7%)を上回っている。
・国内金利の低下に加え、基本ポートフォリオの変更の影響で、国内債券はもはやインカムゲインを稼ぐ中核的資産ではなく、外国債券に加え内外株式がキャピタルゲインだけでなくインカムゲインも支える構造になっている。
・2020年4月に「基本ポートフォリオ」を見直し、国内債券を引き下げて(35%→25%)、外国債券を引き上げている(15%→25%)が、予定積立金額を確保できないリスクは約40%の確率がある。なお、全額国内債券と比較評価するよりも、全額株式やオルタナティブ資産を増やした場合等を確認する方が有益であろう。
・オルタナティブ資産の投資対象はインフラストラクチャー、プライベート・エクイティ、不動産であるが、2020年度末の積立金全体に占める割合は約0.7%にとどまる。パフォーマンスについては、投資を開始してから未だ日も浅く、全体として評価するのは時期尚早だろう。コスト面、運用リスク管理面、オペレーション運営面等で留意点も多く、管理運用体制の充実強化が不可欠である。
・運用による積立金残高の変動は大きなものとなっており、仮に大幅なマイナスの収益を年度決算で計上した場合、公的年金の市場運用に対する社会や国民からのネガティブな反応も懸念される。実質的な運用利回りを上回りつつ下方リスクにも十分配慮した積立金の管理・運用を行うことが望ましい。
また、年金積立金の最終的な命題は年金給付のための安定的なキャッシュフロー の確保であり、運用の高度化に加えて、将来の安定的なキャッシュフローの確保 に向けたより一層の努力と工夫が求められるのではないか。
2. 年金ライフプランセミナー
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するなどの内容を有するセミナーの開催企画・講師派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。
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