年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン No.16(2020/05/27)
2020/05/27 (Wed) 11:00
年金シニアプラン総合研究機構 メルマガ No.16 (2020/05/27)
ご愛読、誠にありがとうございます。
本メールマガジンは、これまで年金シニアプラン総合研究機構とご縁のある皆様にご送付させていただきました。
ご不要の際はどうかご海容下さるようお願い申し上げます。
ご購読を直ちに中止なさる場合は、誠に恐縮ですが、下記のURLからお手続き下さるよう伏してお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=nensoken&task=cancel
目次
1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2020/04/22~05/26)
(1) 坂本純一氏 令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章
(2) 年金調査研究レポートの公開
(3) 年金シニアプランコラムの公開
2.年金ライフプランセミナー:お知らせと参加申込みのお願い
3.スタッフ紹介 (13)福山 圭一(上席研究員)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2020/04/22~05/26)
(1) 坂本純一氏 令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章(2020/05/07)
https://www.nensoken.or.jp/news/20200507-03
当研究機構特別招聘研究員(元厚生労働省年金局数理課長)坂本純一氏におかれましては、令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章されました。 心よりお祝いを申し上げますとともに、今後ますますご健勝でご活躍されますことを祈念いたします。
(2-1) 年金調査研究レポート「『ブレインパフォーマンスと年金ライフ』 年金ライフでボランティアを始めてみようという方に」(三木隆二郎) を公開しました(2020/04/30)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r02_01.pdf
【要旨】
現役生活から年金ライフに移行する際に感じる主な不安は、「お金」と「健 康」が老後も大丈夫か、また、これから「生きがい」を何に見出していけばよ いか、ということにあろう。そこで本論では、現役時代から培ってきた社会経験を生かした「世間への恩返し」を体現する「生きがい」の一つとしてのボランティアに注目し、何か社会の課題解決に役立つようなボランティア活動を自分で始めたい、という人に焦点を当てる。そして、生きがいを感じるボランティアとしてのファンドレイザーを論じ、さらに人生最後の社会貢献とも言われる「遺贈」に至るまで続く年金ライフを充実させる「社会課題解決に資するボランティア」とブレインパフォーマンスの維持向上について論じる。つまり脳の働き、ブレインパフォーマンスを維持し続けることが、互いに影響し合う「生きがい」「健康」や「お金」総体としての、年金ライフには重要なことである、ということを考察する。
キーワード:ブレインパフォーマンス、年金ライフ、認知症、生きがい
(2-2) 年金調査研究レポート「コロナ禍で分かれる『聖人企業か罪人企業 』への道 ESGの「S」が脚光を浴びる中で変わるべき投資運用業におけるD&I」(三木隆二郎) を公開しました(2020/05/03)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r02_02.pdf
【要旨】
現在、世界を覆うコロナ禍によって株式相場が大崩れする中でESG投信には資金の流入が続いている。特にESGの中でもS(社会)が注目されてきており、コロナ禍は、それに対応する企業にとって、ステークホルダー資本主義が定着しているかどうかの踏み絵となっている。その中で金融サービス業に対する厳しい批判の目が注がれている。その理由の一つは投資先にはダイバーシティを求めながら、投資運用業に女性が少ないという点である。複眼的な見方が求められる今日、その使命を十全に果たすためには、投資運用業はコロナ禍を機に、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)先進企業として大きく生まれ変わらなければならない。その為の方策がCFA協会のリサーチにあるので紹介する。
キーワード:コロナ禍、ESG、ステークホルダー資本主義、ダイバーシティ、D&I
(2-3) 年金調査研究レポート「英国The Money & Pensions Service が『健全な家計のための英国の戦略 2020/2030』を公表」(吉野隆之) を公開しました(2020/05/14)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r02_03.pdf
【概要】
英国では、少ない貯蓄、金融リテラシーの国際的な成績の不調、近時の年金制度改正による「年金フリーダム」の実現等を背景に、家計の健全性を国を挙げて確保しようという意欲が高まっており、この分野への政策資源の投入が、目覚ましい。
The Money & Pensions Serviceは、同国における家計、年金に関する3つの金融助言組織を統合して一体的に運営する組織として、2019 年 4 月から公式に活動を開始した。活動開始最初の 1年を意見聴取の期間にあてた成果として、本年 1 月に“The UK Strategy for Financial Wellbeing2020-2030”「健全な家計のための英国の戦略 2020-2030」を公表した。
戦略は、Financial Foundations、Nation of Savers、Credit Counts、Better Debt Advice 及び Future Focus の 5 つのパートからなっていて、それぞれ 2020-2030 の 10 年間に達成すべき政策目標と実現手段を数値目標を伴って明らかにしている。
本稿では、年金やライフプラン教育に関連の深い「Financial Foundations 家計の基礎」「Nation of Savers 貯蓄する国民」「Future Focus 将来を見据える」の3つについて、内容を紹介するとともに、主として政策手法に関して、筆者の若干の感想を付け加える。
(3) 年金シニアプランコラム「『ESG情報開示実践ハンドブック』の公表 -期待されるESG情報開示とESG投資の裾野の拡大-」(矢部信)を公開しました(2020/05/14)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/nsc06.pdf
【要旨】
本年3月31日に日本取引所グループと東京証券取引所は、「ESG情報開示実践ハンドブック」を公表している。これまでの、ESG 情報の開示に関するガイダンス等に比して、上場会社がESG情報開示について検討する際のポイント、考え方、手順などが簡潔に整理され、上場会社が開示に取り組めるよう実践的な内容となっていることが特徴である。
経済と社会のサステナビリティを高めることがグローバルな課題として意識され、ESG情報の開示とESG投資が、企業と機関投資家の責任として求められる中で、この実践ハンドブックが活用され、幅広い上場会社でESG情報開示が進展し、企業年金等の機関投資家のESG投資の裾野の拡大に資するものとして利用されることが期待される。
2. 年金ライフプランセミナー
■お知らせ
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、参加者および関係者の皆さまの健康・安全面を第一に考慮した結果、6月26日(金)に開催を予定しておりました年金ライフプランセミナーを中止することといたしました。
なお、この中止に伴い、他の開催日に参加申込みが集中するのを避けるため、新たに12月4日(金)【東京会場】に追加開催することといたしましたので併せてお知らせいたします。
■2020年 年金ライフプランセミナー(PLPセミナー)は、現在参加申し込み受付中です。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するセミナーの開催を企画・講師の派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。事務局向けセミナー等も実施予定です。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
3.スタッフ紹介
(13)福山圭一(ふくやま けいいち)上席研究員
■研究分野:年金、ESG投資、社会保障
年金について、内外の公私年金制度の動向に関心を有している。最近は日本における国民年金の厚生年金への統合の必要性を感じている。(最新のレポートは次を参照:http://www.yu-cho-f.jp/wp-content/uploads/2020spring_articles06.pdf)
ESG投資について、2011~2013年度に科研費による「日本の年金資金におけるESG投資のあり方についての研究」の研究代表者を務めた。看過されがちなS課題、とりわけ、日本が直面する人口関連の課題について、より焦点が当てられるべきだと考えている。
社会保障について、2008年度から拓殖大学政経学部で非常勤講師を務めており、半期ずつ社会保障論A(総論、労働保険、年金)と社会保障論B(医療、福祉、介護)を講義している。コロナ後の社会保障はどのようになるのか、考えていきたいと思う。
■厚生労働省(旧厚生省)出身
1975年に厚生省に入省した。最初に配属されたのが官房企画室で、室長は後に1985年年金法改正に向けた作業に生命を賭して取り組まれた山口新一郎さんだった。外見は一見怖そうだったが、怒られた記憶はない。公務員生活の最初に山口さんの薫陶を受けることができたのは幸いだった。
年金との直接の関わりという点では、1990年に年金福祉事業団に出向し、財投から借り入れる形で1985年から始まっていた資金運用業務に携わった。出向後しばらくして損失補填問題という当時の世の中を揺るがす大スキャンダルに巻き込まれた。何が起こっているのか、新聞1面トップに載るような事実がなぜ次々と明らかになるのか、渦中にいたが全く分からなかった。巨額の資金運用の裏には深い闇があることを知らされた思いがした。
1993年に年金局運用指導課長になり、1994年年金法改正作業に関わった。同改正の一環で、運用基本方針の作成に関する規定を新設することになった。これは年金基金としての主体性を発揮できるようにしてほしいという厚生年金基金関係者からの要望に応えたものである。イギリスで運用基本方針(Statement of Investment Principles; SIP)が規定されたのは1995年年金法であり、仔細に調べたわけではないが、運用基本方針の法制化は日本が世界で最初ではないかと思う。
その後しばらく年金から離れたが、2002年に社会保険職員の研修を行う社会保険大学校の校長に就任した。公務員の人材育成について勉強しようと思ったが、該当する書籍が見当たらなかったので、ならば自分で書いてみようと思い立った。大学校は千葉ニュータウンにあり、片道1時間40分電車に乗る必要があったが、いわゆる逆方向なので、往復とも座れた。電車の中で推敲を重ね、初めての著書『新時代における公務員の人材育成-国の形を創る人々を育てるために-』を上梓することができた。
■当法人専務理事を14年務める
2004年に退官し、当法人の専務理事に就任した。公務員時代には2~3年ごとに人事異動があり、その続きのような感覚だった。現に先輩専務理事は1~2年で交代していた。しかし、ここには書けないそれぞれの事情で次々と理事長が交代され、専務理事が残らざるを得なかった。結局14年間専務理事を務めることになった。
14年も続けながら、当法人の発展にどれほど貢献できたのか、必ずしも自信は無い。在任中は公務員OBに対する世間の風当たりは強くなる一方だった。また、着任当時は年金記録問題や社会保険庁職員の不祥事などで年金関連の批判が巻き起こっており、その余波は長引いた。塹壕にこもるような気持ちでいた時期が長かったように思う。また、当初は安定的に研究費を受託できる仕組みがあったが、5年でその仕組みは崩れ、研究体制の縮小を図ることを余儀なくされた。
その中で、2010年に高山憲之先生を当法人の研究主幹にお迎えできたことは僥倖であった。高山先生は言うまでも無くわが国年金研究の第一人者である。大型科研費の研究を進めておられたことから、文科省に申請して科研費取扱機関の指定を受け、お迎えできる環境を整えた。高山先生が来られたことは、それまでの資金運用中心のプラクティカルな研究機関から本格的な学術研究機関へと脱皮できる契機になった。
専務理事在任期間中の大きな出来事として、2008年に旧シニアプラン開発機構(以下「旧法人」という。)と法人統合した。これは旧法人側の意向が示されたことによるものであり、当法人が存続法人となり旧法人が解散して残余財産を当法人に寄付するという形での統合となった。旧法人側にも思い入れの強い関係者は少なからずおられた。法人名に「シニアプラン」の語を残し、今のものに長くなった。PLP事業やサラリーマンの生きがい調査など旧法人で実施されていた事業は当法人で継続、発展させることができている。統合のシナジー効果は間違いなくあった。
旧法人から残余財産として19億円余の寄付を受けることができた。これを機に資金運用について検討し、2010年からポートフォリオ運用を開始した。保有していた債券の満期が来る都度、内外株式ETFを購入していった。外国国債も加え、基本ポートフォリオに近いものになるまで2年ほどかかったが、この間はちょうどリーマンショックとそれに続く欧州経済危機で相場は低迷していた時期である。今から振り返ってもラッキーだった。
また、公益法人関連3法が2006年に制定され、2008年に施行された。既存の法人は公益法人になるか一般法人になるか5年以内に選択する必要が生じた。内部で検討を重ね、申請後も若干のドタバタはあったが、内閣総理大臣の認定を受け2012年度から公益財団法人となった。新公益法人制度は、黒字はいけないが赤字は良いなど常識的にもおかしな規制が多いが、ポートフォリオ運用には意外にマッチしたように思う。赤字容認なので評価損が出ても問題ないという枠組みでは、株式運用がやりやすいと感じた。株の配当利回りが債券のクーポン・レートより高い状況ではなおさらであった。
■プライベート
最近2~3年は義父母の介護関連で、時間を取られている。義母は昨年末に亡くなるまで長年要介護状態だった。義父が介護をしていたが、負担が大きくなってきたので、娘である妻が入所施設を探すのに小生も付き合った。その後、基礎疾患を抱えていた義父も骨折から要介護状態になった。病院では入院してもすぐに退院を求められ、その他の施設も状態が変化すると退所を迫られる状況で、そのたびに新たな施設を求めて施設訪問を繰り返す必要があった。拓殖大学で社会保障論を講義しているが、医療や介護の手厚さを実感すると同時に、制度だけ見ていたのでは分からない様々な問題があることも知ることができた。
趣味と言うほどのものは特にないが、車の運転は好きである。今は、妻が義父のいる施設に行くのに運転手役をする程度だが、昔ジュネーブに勤務(在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官)していた頃、一瞬だが高速道路を時速200キロ近いスピードで走ったこともある。
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(1) 坂本純一氏 令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章
(2) 年金調査研究レポートの公開
(3) 年金シニアプランコラムの公開
2.年金ライフプランセミナー:お知らせと参加申込みのお願い
3.スタッフ紹介 (13)福山 圭一(上席研究員)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2020/04/22~05/26)
(1) 坂本純一氏 令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章(2020/05/07)
https://www.nensoken.or.jp/news/20200507-03
当研究機構特別招聘研究員(元厚生労働省年金局数理課長)坂本純一氏におかれましては、令和2年春の叙勲において瑞宝小綬章を受章されました。 心よりお祝いを申し上げますとともに、今後ますますご健勝でご活躍されますことを祈念いたします。
(2-1) 年金調査研究レポート「『ブレインパフォーマンスと年金ライフ』 年金ライフでボランティアを始めてみようという方に」(三木隆二郎) を公開しました(2020/04/30)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r02_01.pdf
【要旨】
現役生活から年金ライフに移行する際に感じる主な不安は、「お金」と「健 康」が老後も大丈夫か、また、これから「生きがい」を何に見出していけばよ いか、ということにあろう。そこで本論では、現役時代から培ってきた社会経験を生かした「世間への恩返し」を体現する「生きがい」の一つとしてのボランティアに注目し、何か社会の課題解決に役立つようなボランティア活動を自分で始めたい、という人に焦点を当てる。そして、生きがいを感じるボランティアとしてのファンドレイザーを論じ、さらに人生最後の社会貢献とも言われる「遺贈」に至るまで続く年金ライフを充実させる「社会課題解決に資するボランティア」とブレインパフォーマンスの維持向上について論じる。つまり脳の働き、ブレインパフォーマンスを維持し続けることが、互いに影響し合う「生きがい」「健康」や「お金」総体としての、年金ライフには重要なことである、ということを考察する。
キーワード:ブレインパフォーマンス、年金ライフ、認知症、生きがい
(2-2) 年金調査研究レポート「コロナ禍で分かれる『聖人企業か罪人企業 』への道 ESGの「S」が脚光を浴びる中で変わるべき投資運用業におけるD&I」(三木隆二郎) を公開しました(2020/05/03)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r02_02.pdf
【要旨】
現在、世界を覆うコロナ禍によって株式相場が大崩れする中でESG投信には資金の流入が続いている。特にESGの中でもS(社会)が注目されてきており、コロナ禍は、それに対応する企業にとって、ステークホルダー資本主義が定着しているかどうかの踏み絵となっている。その中で金融サービス業に対する厳しい批判の目が注がれている。その理由の一つは投資先にはダイバーシティを求めながら、投資運用業に女性が少ないという点である。複眼的な見方が求められる今日、その使命を十全に果たすためには、投資運用業はコロナ禍を機に、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)先進企業として大きく生まれ変わらなければならない。その為の方策がCFA協会のリサーチにあるので紹介する。
キーワード:コロナ禍、ESG、ステークホルダー資本主義、ダイバーシティ、D&I
(2-3) 年金調査研究レポート「英国The Money & Pensions Service が『健全な家計のための英国の戦略 2020/2030』を公表」(吉野隆之) を公開しました(2020/05/14)
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【概要】
英国では、少ない貯蓄、金融リテラシーの国際的な成績の不調、近時の年金制度改正による「年金フリーダム」の実現等を背景に、家計の健全性を国を挙げて確保しようという意欲が高まっており、この分野への政策資源の投入が、目覚ましい。
The Money & Pensions Serviceは、同国における家計、年金に関する3つの金融助言組織を統合して一体的に運営する組織として、2019 年 4 月から公式に活動を開始した。活動開始最初の 1年を意見聴取の期間にあてた成果として、本年 1 月に“The UK Strategy for Financial Wellbeing2020-2030”「健全な家計のための英国の戦略 2020-2030」を公表した。
戦略は、Financial Foundations、Nation of Savers、Credit Counts、Better Debt Advice 及び Future Focus の 5 つのパートからなっていて、それぞれ 2020-2030 の 10 年間に達成すべき政策目標と実現手段を数値目標を伴って明らかにしている。
本稿では、年金やライフプラン教育に関連の深い「Financial Foundations 家計の基礎」「Nation of Savers 貯蓄する国民」「Future Focus 将来を見据える」の3つについて、内容を紹介するとともに、主として政策手法に関して、筆者の若干の感想を付け加える。
(3) 年金シニアプランコラム「『ESG情報開示実践ハンドブック』の公表 -期待されるESG情報開示とESG投資の裾野の拡大-」(矢部信)を公開しました(2020/05/14)
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【要旨】
本年3月31日に日本取引所グループと東京証券取引所は、「ESG情報開示実践ハンドブック」を公表している。これまでの、ESG 情報の開示に関するガイダンス等に比して、上場会社がESG情報開示について検討する際のポイント、考え方、手順などが簡潔に整理され、上場会社が開示に取り組めるよう実践的な内容となっていることが特徴である。
経済と社会のサステナビリティを高めることがグローバルな課題として意識され、ESG情報の開示とESG投資が、企業と機関投資家の責任として求められる中で、この実践ハンドブックが活用され、幅広い上場会社でESG情報開示が進展し、企業年金等の機関投資家のESG投資の裾野の拡大に資するものとして利用されることが期待される。
2. 年金ライフプランセミナー
■お知らせ
新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、参加者および関係者の皆さまの健康・安全面を第一に考慮した結果、6月26日(金)に開催を予定しておりました年金ライフプランセミナーを中止することといたしました。
なお、この中止に伴い、他の開催日に参加申込みが集中するのを避けるため、新たに12月4日(金)【東京会場】に追加開催することといたしましたので併せてお知らせいたします。
■2020年 年金ライフプランセミナー(PLPセミナー)は、現在参加申し込み受付中です。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
■年金シニアプラン総合研究機構が主催するセミナーのほか、企業様や年金基金様が、自社の社員や加入者・受給者のために開催するライフプラン・退職セミナーの開催支援を行っております。
退職後の「健康・生きがい・お金」のことや、年金についての実践的知識を学び、長期家計プランを実際に作成するセミナーの開催を企画・講師の派遣・実施の各段階でサポートいたします。
ご関心がありましたら是非お問い合わせください。事務局向けセミナー等も実施予定です。
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/plp_nensoken.pdf
3.スタッフ紹介
(13)福山圭一(ふくやま けいいち)上席研究員
■研究分野:年金、ESG投資、社会保障
年金について、内外の公私年金制度の動向に関心を有している。最近は日本における国民年金の厚生年金への統合の必要性を感じている。(最新のレポートは次を参照:http://www.yu-cho-f.jp/wp-content/uploads/2020spring_articles06.pdf)
ESG投資について、2011~2013年度に科研費による「日本の年金資金におけるESG投資のあり方についての研究」の研究代表者を務めた。看過されがちなS課題、とりわけ、日本が直面する人口関連の課題について、より焦点が当てられるべきだと考えている。
社会保障について、2008年度から拓殖大学政経学部で非常勤講師を務めており、半期ずつ社会保障論A(総論、労働保険、年金)と社会保障論B(医療、福祉、介護)を講義している。コロナ後の社会保障はどのようになるのか、考えていきたいと思う。
■厚生労働省(旧厚生省)出身
1975年に厚生省に入省した。最初に配属されたのが官房企画室で、室長は後に1985年年金法改正に向けた作業に生命を賭して取り組まれた山口新一郎さんだった。外見は一見怖そうだったが、怒られた記憶はない。公務員生活の最初に山口さんの薫陶を受けることができたのは幸いだった。
年金との直接の関わりという点では、1990年に年金福祉事業団に出向し、財投から借り入れる形で1985年から始まっていた資金運用業務に携わった。出向後しばらくして損失補填問題という当時の世の中を揺るがす大スキャンダルに巻き込まれた。何が起こっているのか、新聞1面トップに載るような事実がなぜ次々と明らかになるのか、渦中にいたが全く分からなかった。巨額の資金運用の裏には深い闇があることを知らされた思いがした。
1993年に年金局運用指導課長になり、1994年年金法改正作業に関わった。同改正の一環で、運用基本方針の作成に関する規定を新設することになった。これは年金基金としての主体性を発揮できるようにしてほしいという厚生年金基金関係者からの要望に応えたものである。イギリスで運用基本方針(Statement of Investment Principles; SIP)が規定されたのは1995年年金法であり、仔細に調べたわけではないが、運用基本方針の法制化は日本が世界で最初ではないかと思う。
その後しばらく年金から離れたが、2002年に社会保険職員の研修を行う社会保険大学校の校長に就任した。公務員の人材育成について勉強しようと思ったが、該当する書籍が見当たらなかったので、ならば自分で書いてみようと思い立った。大学校は千葉ニュータウンにあり、片道1時間40分電車に乗る必要があったが、いわゆる逆方向なので、往復とも座れた。電車の中で推敲を重ね、初めての著書『新時代における公務員の人材育成-国の形を創る人々を育てるために-』を上梓することができた。
■当法人専務理事を14年務める
2004年に退官し、当法人の専務理事に就任した。公務員時代には2~3年ごとに人事異動があり、その続きのような感覚だった。現に先輩専務理事は1~2年で交代していた。しかし、ここには書けないそれぞれの事情で次々と理事長が交代され、専務理事が残らざるを得なかった。結局14年間専務理事を務めることになった。
14年も続けながら、当法人の発展にどれほど貢献できたのか、必ずしも自信は無い。在任中は公務員OBに対する世間の風当たりは強くなる一方だった。また、着任当時は年金記録問題や社会保険庁職員の不祥事などで年金関連の批判が巻き起こっており、その余波は長引いた。塹壕にこもるような気持ちでいた時期が長かったように思う。また、当初は安定的に研究費を受託できる仕組みがあったが、5年でその仕組みは崩れ、研究体制の縮小を図ることを余儀なくされた。
その中で、2010年に高山憲之先生を当法人の研究主幹にお迎えできたことは僥倖であった。高山先生は言うまでも無くわが国年金研究の第一人者である。大型科研費の研究を進めておられたことから、文科省に申請して科研費取扱機関の指定を受け、お迎えできる環境を整えた。高山先生が来られたことは、それまでの資金運用中心のプラクティカルな研究機関から本格的な学術研究機関へと脱皮できる契機になった。
専務理事在任期間中の大きな出来事として、2008年に旧シニアプラン開発機構(以下「旧法人」という。)と法人統合した。これは旧法人側の意向が示されたことによるものであり、当法人が存続法人となり旧法人が解散して残余財産を当法人に寄付するという形での統合となった。旧法人側にも思い入れの強い関係者は少なからずおられた。法人名に「シニアプラン」の語を残し、今のものに長くなった。PLP事業やサラリーマンの生きがい調査など旧法人で実施されていた事業は当法人で継続、発展させることができている。統合のシナジー効果は間違いなくあった。
旧法人から残余財産として19億円余の寄付を受けることができた。これを機に資金運用について検討し、2010年からポートフォリオ運用を開始した。保有していた債券の満期が来る都度、内外株式ETFを購入していった。外国国債も加え、基本ポートフォリオに近いものになるまで2年ほどかかったが、この間はちょうどリーマンショックとそれに続く欧州経済危機で相場は低迷していた時期である。今から振り返ってもラッキーだった。
また、公益法人関連3法が2006年に制定され、2008年に施行された。既存の法人は公益法人になるか一般法人になるか5年以内に選択する必要が生じた。内部で検討を重ね、申請後も若干のドタバタはあったが、内閣総理大臣の認定を受け2012年度から公益財団法人となった。新公益法人制度は、黒字はいけないが赤字は良いなど常識的にもおかしな規制が多いが、ポートフォリオ運用には意外にマッチしたように思う。赤字容認なので評価損が出ても問題ないという枠組みでは、株式運用がやりやすいと感じた。株の配当利回りが債券のクーポン・レートより高い状況ではなおさらであった。
■プライベート
最近2~3年は義父母の介護関連で、時間を取られている。義母は昨年末に亡くなるまで長年要介護状態だった。義父が介護をしていたが、負担が大きくなってきたので、娘である妻が入所施設を探すのに小生も付き合った。その後、基礎疾患を抱えていた義父も骨折から要介護状態になった。病院では入院してもすぐに退院を求められ、その他の施設も状態が変化すると退所を迫られる状況で、そのたびに新たな施設を求めて施設訪問を繰り返す必要があった。拓殖大学で社会保障論を講義しているが、医療や介護の手厚さを実感すると同時に、制度だけ見ていたのでは分からない様々な問題があることも知ることができた。
趣味と言うほどのものは特にないが、車の運転は好きである。今は、妻が義父のいる施設に行くのに運転手役をする程度だが、昔ジュネーブに勤務(在ジュネーブ国際機関日本政府代表部一等書記官)していた頃、一瞬だが高速道路を時速200キロ近いスピードで走ったこともある。
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