年金シニアプラン総合研究機構メールマガジン No.9(2019/10/23))
2019/10/23 (Wed) 11:40
年総研メルマガ
No.9 (2019/10/23)
ご愛読、誠にありがとうございます。
本メールマガジンは、これまで年金シニアプラン総合研究機構とご縁のある皆様にご送付させていただきました。
ご不要の際はどうかご海容下さるようお願い申し上げます。
ご購読を直ちに中止なさる場合は、誠に恐縮ですが、下記のURLからお手続き下さるよう伏してお願いいたします。
https://w.bme.jp/bm/p/f/tf.php?id=nensoken&task=cancel
目次
1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2019/9/21~2019/10/22)
(1) オムロン企業年金基金についてのお知らせ
(2) 年金部会、資金運用部会等の資料を政策資料保管庫(審議会資料)に掲載
(3) 年金調査研究レポートの公開
2.年金ライフプランセミナー:参加申込みのお願い
3.スタッフ紹介(6) 矢部 信(特任研究員)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2019/9/21~2019/10/22)
(1) オムロン企業年金基金についてのお知らせ (2019/09/26)
オムロン企業年金基金は9月20日付で日本版スチュワードシップ・コードの受け入れを表明しましたが、当機構は本年1月から半年間にわたってオムロン株式会社及び同基金に対して「オムロン株式会社の企業年金基金の運用の専門性に関する調査研究」と題して第三者評価を実施し、今回の表明に向けてのお手伝いをさせていただきました。
・オムロン株式会社のHP
https://www.omron.co.jp/press/2019/09/c0920.html
・オムロン企業年金基金
http://www.omron-nenkinkikin.org/info/stewardship_code.html
・取組方針
http://www.omron-nenkinkikin.org/info/images/omron_scc_20190920.pdf
・当機構主催のフォーラムにおける安藤取締役のパネル資料「オムロンにおける企業年金改革の取り組み」
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20191017_05ando.pdf
(2) 年金部会、資金運用部会等の資料を政策資料保管庫(審議会資料)に掲載しました
●9月20日「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」
・とりまとめ案(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi17-01.pdf)
・参考資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi07-02-1.pdf)
●9月27日「年金部会(第10回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-01.pdf)
・資料2-1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-0201.pdf)
・資料2-2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-0202.pdf)
・参考資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-001.pdf)
・参考資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-002.pdf)
・参考資料3(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-003.pdf)
・細田委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-004.pdf)
●10月3日「資金運用部会(第10回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-02.pdf)
●10月9日「企業年金・個人年金部会(第8回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-01.pdf)
・参考資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-001.pdf)
・参考資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-002.pdf)
・日本労働組合総連合会提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-003.pdf)
・臼杵委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-004.pdf)
●10月9日「年金部会(第11回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-02.pdf)
・菊地委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-001.pdf)
・藤沢委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-002.pdf)
●10月18日「年金部会(第12回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-02.pdf)
・参考資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-001.pdf)
・菊地委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-002.pdf)
(3) 年金調査研究レポート「Cost Sharing among Different Ages/Regions/Occupations
in Japanese Social Security Healthcare」(高山憲之) を公開しました(2019/10/15)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r01_10.pdf
【主な内容】
・ 日本の医療保険制度について、その概要と特徴および制度間財政調整のしくみを解説した英文のレポートである。
2.年金ライフプランセミナー
■2019年 年金ライフプランセミナー(PLPセミナー)は、現在参加申し込み受付中です。
https://www.nensoken.or.jp/seminar_forum/lifeplan/
3.スタッフ紹介 (6)矢部 信(特任研究員)
■平成の終わりに
私は、昭和の半ばに生まれ、平成の終わりとともに高齢者の仲間入りをし、同時に、この機構の研究員となりました(末尾のプロフィール参照)。昨年は平成を振り返る出版、放送等が多々あり、同時代史として懐かしく読み聞きしていました。平成金融危機の時期が職業人としての折り返し点で、昭和金融恐慌以来60年ぶりの大手銀行破綻の当事者の一人として、貴重な経験することになりました。その後、年金の仕事をさせていただく機会を得て、今日まで、何とか職業人生を送ることができた幸運に感謝しています。
平成は経済・金融のグローバル化が進展し、様々なパラダイムシフトが起こり、変化を迫られた時代とされています。また、失われた○○年とかネガティブに語られることも少なくありません。しかし、どんな時代でも、変化は常にあり、平成だけが特別であったわけでなく、むしろ、日本近代史の中では、平成は平らかに成った良い時代であったと思います。
■役所勤めとマイナス金利対応
私の職歴の特徴は、5年間役所に勤め、様々な経験をさせていただいたことかと思います。その中で、少し地味ですが「マイナス金利への対応」が記憶に残っています。平成28年1月に始まる日本銀行のマイナス金利政策は、年金の分野にも様々な影響を与えました。
DCでは、安全運用手段の一つであったMMFの商品性が維持できなくなり、償還されました。更に、確定給付型年金では、年金信託の現金部分に手数料名目で、マイナス金利の適用が始まりました。一般に、年金基金等は年金給付のため5%程度の資金を留保しており、これにマイナス金利負担が及ぶことになりました。
特に当時、厚生年金基金制度廃止を控え、基金の解散が相次ぐ中、基金が代行部分を国に返納する目的で留保している資金に、マイナス金利負担が及ぶことは大きな問題でした。
このため、企業年金・国民年金基金課として、国庫納付資金前納の促進を総幹事の各行(社)の協力で進め、銀行預金による運用(自家運用)に関する照会にも前向きに回答するなどの対応を進めてきました。制度設計だけでなく、現業も抱える部門ならではの貴重な経験だったように思います。
■マイナス金利と年金資金
しかし、マイナス金利は、すでに4年目で恒久化している感さえあります。年金の制度設計や資産運用に与える影響は大きく、NOMURA-BPIの最終利回りがマイナスという状況下、年金基金のヘッジ外債に始まる「イールドハンティング」の動きは、アンコンストレインド、不動産やインフラの実物資産、バンクローンやプライベートデット等へと拡大を続けています。年金基金の政策的資産構成割合の国内債券ウェイトは表面上維持されているとしても、その中身がどうなっているのか、不安を感じている関係者の方々も少なくないように思います。
もう20年前のことですが、私は債券運用歴が長く、いわば金利屋で、マイナス金利は「非」常識というより、「反」常識のように見えます。もとより、マイナス金利の世界を解析する能力などあるはずもありませんが、背景に、新興国経済の勃興、GAFAなどのITの世界の拡大などの様々な要因があるとしても、私には、経済のグローバル化と金融の肥大化の結果、金融の一人歩きが辿りついた迷い道のように思えてなりません。
マネーマーケットでは確かに、マイナス金利での取引が常識になっていますが、他方、金融機関の店頭には極薄ながらまだ預貯金に利息があり、貸付も「正の世界」に踏みとどまっています。その2つの世界の狭間にあるものを見つめ、潜んでいるリスクを考えてみることも、今日の年金制度や年金運用を考えるうえで、大切な頭の体操ではないかと思っているところです。
■学歴
1977年3月 一橋大学社会学部卒
2008年3月 青山学院大学大学院法学部ビジネス法務研究科修了
■職歴
1977年4月 日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)
(法人営業、有価証券投資業務等に従事)
1999年1月 東京海上アセットマネジメント
(企業年金、公的年金、金融法人等のクライアントサービスに従事)
2014年4月 厚生労働省年金局企業年金・国民年金基金課(現企業年金・個人年金課)
(企業年金の資産運用の状況調査、制度の検討等に従事)
2019年4月 年金シニアプラン総合研究機構特任研究員
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公益財団法人 年金シニアプラン総合研究機構
〒108-0074 港区高輪1丁目3-13 NBF高輪ビル4F
TEL 03-5793-9411
URL https://www.nensoken.or.jp/
お問い合わせ https://www.nensoken.or.jp/contact/
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No.9 (2019/10/23)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2019/9/21~2019/10/22)
(1) オムロン企業年金基金についてのお知らせ
(2) 年金部会、資金運用部会等の資料を政策資料保管庫(審議会資料)に掲載
(3) 年金調査研究レポートの公開
2.年金ライフプランセミナー:参加申込みのお願い
3.スタッフ紹介(6) 矢部 信(特任研究員)
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1.年金シニアプラン総合研究機構の動き(2019/9/21~2019/10/22)
(1) オムロン企業年金基金についてのお知らせ (2019/09/26)
オムロン企業年金基金は9月20日付で日本版スチュワードシップ・コードの受け入れを表明しましたが、当機構は本年1月から半年間にわたってオムロン株式会社及び同基金に対して「オムロン株式会社の企業年金基金の運用の専門性に関する調査研究」と題して第三者評価を実施し、今回の表明に向けてのお手伝いをさせていただきました。
・オムロン株式会社のHP
https://www.omron.co.jp/press/2019/09/c0920.html
・オムロン企業年金基金
http://www.omron-nenkinkikin.org/info/stewardship_code.html
・取組方針
http://www.omron-nenkinkikin.org/info/images/omron_scc_20190920.pdf
・当機構主催のフォーラムにおける安藤取締役のパネル資料「オムロンにおける企業年金改革の取り組み」
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/20191017_05ando.pdf
(2) 年金部会、資金運用部会等の資料を政策資料保管庫(審議会資料)に掲載しました
●9月20日「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」
・とりまとめ案(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi17-01.pdf)
・参考資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi07-02-1.pdf)
●9月27日「年金部会(第10回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-01.pdf)
・資料2-1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-0201.pdf)
・資料2-2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-0202.pdf)
・参考資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-001.pdf)
・参考資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-002.pdf)
・参考資料3(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-003.pdf)
・細田委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi18-004.pdf)
●10月3日「資金運用部会(第10回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi19-02.pdf)
●10月9日「企業年金・個人年金部会(第8回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-01.pdf)
・参考資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-001.pdf)
・参考資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-002.pdf)
・日本労働組合総連合会提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-003.pdf)
・臼杵委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi21-004.pdf)
●10月9日「年金部会(第11回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-02.pdf)
・菊地委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-001.pdf)
・藤沢委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi20-002.pdf)
●10月18日「年金部会(第12回)」
・議事次第(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-00.pdf)
・資料1(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-01.pdf)
・資料2(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-02.pdf)
・参考資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-001.pdf)
・菊地委員提出資料(https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/shingi22-002.pdf)
(3) 年金調査研究レポート「Cost Sharing among Different Ages/Regions/Occupations
in Japanese Social Security Healthcare」(高山憲之) を公開しました(2019/10/15)
https://www.nensoken.or.jp/wp-content/uploads/rr_r01_10.pdf
【主な内容】
・ 日本の医療保険制度について、その概要と特徴および制度間財政調整のしくみを解説した英文のレポートである。
2.年金ライフプランセミナー
■2019年 年金ライフプランセミナー(PLPセミナー)は、現在参加申し込み受付中です。
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3.スタッフ紹介 (6)矢部 信(特任研究員)
■平成の終わりに
私は、昭和の半ばに生まれ、平成の終わりとともに高齢者の仲間入りをし、同時に、この機構の研究員となりました(末尾のプロフィール参照)。昨年は平成を振り返る出版、放送等が多々あり、同時代史として懐かしく読み聞きしていました。平成金融危機の時期が職業人としての折り返し点で、昭和金融恐慌以来60年ぶりの大手銀行破綻の当事者の一人として、貴重な経験することになりました。その後、年金の仕事をさせていただく機会を得て、今日まで、何とか職業人生を送ることができた幸運に感謝しています。
平成は経済・金融のグローバル化が進展し、様々なパラダイムシフトが起こり、変化を迫られた時代とされています。また、失われた○○年とかネガティブに語られることも少なくありません。しかし、どんな時代でも、変化は常にあり、平成だけが特別であったわけでなく、むしろ、日本近代史の中では、平成は平らかに成った良い時代であったと思います。
■役所勤めとマイナス金利対応
私の職歴の特徴は、5年間役所に勤め、様々な経験をさせていただいたことかと思います。その中で、少し地味ですが「マイナス金利への対応」が記憶に残っています。平成28年1月に始まる日本銀行のマイナス金利政策は、年金の分野にも様々な影響を与えました。
DCでは、安全運用手段の一つであったMMFの商品性が維持できなくなり、償還されました。更に、確定給付型年金では、年金信託の現金部分に手数料名目で、マイナス金利の適用が始まりました。一般に、年金基金等は年金給付のため5%程度の資金を留保しており、これにマイナス金利負担が及ぶことになりました。
特に当時、厚生年金基金制度廃止を控え、基金の解散が相次ぐ中、基金が代行部分を国に返納する目的で留保している資金に、マイナス金利負担が及ぶことは大きな問題でした。
このため、企業年金・国民年金基金課として、国庫納付資金前納の促進を総幹事の各行(社)の協力で進め、銀行預金による運用(自家運用)に関する照会にも前向きに回答するなどの対応を進めてきました。制度設計だけでなく、現業も抱える部門ならではの貴重な経験だったように思います。
■マイナス金利と年金資金
しかし、マイナス金利は、すでに4年目で恒久化している感さえあります。年金の制度設計や資産運用に与える影響は大きく、NOMURA-BPIの最終利回りがマイナスという状況下、年金基金のヘッジ外債に始まる「イールドハンティング」の動きは、アンコンストレインド、不動産やインフラの実物資産、バンクローンやプライベートデット等へと拡大を続けています。年金基金の政策的資産構成割合の国内債券ウェイトは表面上維持されているとしても、その中身がどうなっているのか、不安を感じている関係者の方々も少なくないように思います。
もう20年前のことですが、私は債券運用歴が長く、いわば金利屋で、マイナス金利は「非」常識というより、「反」常識のように見えます。もとより、マイナス金利の世界を解析する能力などあるはずもありませんが、背景に、新興国経済の勃興、GAFAなどのITの世界の拡大などの様々な要因があるとしても、私には、経済のグローバル化と金融の肥大化の結果、金融の一人歩きが辿りついた迷い道のように思えてなりません。
マネーマーケットでは確かに、マイナス金利での取引が常識になっていますが、他方、金融機関の店頭には極薄ながらまだ預貯金に利息があり、貸付も「正の世界」に踏みとどまっています。その2つの世界の狭間にあるものを見つめ、潜んでいるリスクを考えてみることも、今日の年金制度や年金運用を考えるうえで、大切な頭の体操ではないかと思っているところです。
■学歴
1977年3月 一橋大学社会学部卒
2008年3月 青山学院大学大学院法学部ビジネス法務研究科修了
■職歴
1977年4月 日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)
(法人営業、有価証券投資業務等に従事)
1999年1月 東京海上アセットマネジメント
(企業年金、公的年金、金融法人等のクライアントサービスに従事)
2014年4月 厚生労働省年金局企業年金・国民年金基金課(現企業年金・個人年金課)
(企業年金の資産運用の状況調査、制度の検討等に従事)
2019年4月 年金シニアプラン総合研究機構特任研究員
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