呼吸不全の分類(1型・2型)
2023/04/26 (Wed) 07:50
呼吸不全の分類(1型・2型)
呼吸不全とは
呼吸器不全とは、室内気で動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr(SPO2 90%相当)以下の状態を指します。
この呼吸不全の状態が1か月以上続く場合を慢性呼吸不全と呼びます。
呼吸不全の分類
呼吸不全は一般的に、発症してから呼吸不全の続く期間が1か月未満の場合を急性呼吸不全、1か月以上続く場合を慢性呼吸不全と分類されます。またPaCO2が45Torr以下のものを1型、45Torr以上のものを2型と分類されます。1型は、酸素が足りていない状態で、CO2が体外にちゃんと吐き出されている状態、2型は酸素が足りておらずCO2も体外に吐き出されず体内に蓄積されている状態といえます。
2型はさらに、A-aDO2が開大するものと、開大しないものに分類されます。
※A-aDO2とは肺胞気動脈血酸素分圧較差のこと。理想的な肺胞気と動脈血の酸素分圧較差を指します。
原因疾患
1型呼吸不全の代表的な原因疾患は、間質性肺炎、肺水腫、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、無気肺、肺血栓塞栓症、肺動静脈瘻などが挙げられます。
2型呼吸不全の代表的な原因疾患は、
A-aDO2が開大するケースではCOPD、気管支喘息などが挙げられ、
A-aDO2が開大しないケースでは原発性肺胞低換気症候群、脳血管疾患、睡眠薬の過量服用など、ギランバレー症候群、進行性筋ジストロフィー、重症筋無力症などの神経系疾患、筋疾患などが挙げられます。
治療法の違い
1型呼吸不全では酸素が不足している状態なので、基本的には酸素を補うことが治療法になります。在宅療養では、HOTを導入します。
一方、2型呼吸不全ではCO2が体内に貯留しているため、CO2ナルコーシスを起こしてしまいます。しがたって、体内に貯留しているCO2を吐き出させるためにNIPPV 等を導入します。
まとめ
今回は呼吸不全の分類についてお話しました。呼吸不全は分類によって医療的なアプローチが異なります。それぞれの分類について正しく理解数必要がありますね。
ちくさ病院在宅医療ホームページ
https://w.bme.jp/38/3135/4642/XXXX
2023年度 ちくさ病院相談員担当エリアについて
(在宅医療のご相談は下記相談員までご連絡ください)
ちくさ病院 在宅医療推進部 相談員
大塚 TEL:080-4897-4613
担当エリア:緑区・守山区・昭和区・西区・中川区
佐藤TEL:080-4897-4673
担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東
区・東区
渡邉 TEL:080-3595-8467
担当エリア:千種区・北区・瑞穂区・南区区・天白区・中区
(入院相談窓口)
看護師長 五藤 TEL :080-2654-2057
バックナンバー
https://w.bme.jp/38/3135/4643/XXXX
編集/発行:医療法人豊隆会 ちくさ病院 在宅医療推進部
〒464-0851 名古屋市千種区今池南4-1
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呼吸器不全とは、室内気で動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr(SPO2 90%相当)以下の状態を指します。
この呼吸不全の状態が1か月以上続く場合を慢性呼吸不全と呼びます。
呼吸不全の分類
呼吸不全は一般的に、発症してから呼吸不全の続く期間が1か月未満の場合を急性呼吸不全、1か月以上続く場合を慢性呼吸不全と分類されます。またPaCO2が45Torr以下のものを1型、45Torr以上のものを2型と分類されます。1型は、酸素が足りていない状態で、CO2が体外にちゃんと吐き出されている状態、2型は酸素が足りておらずCO2も体外に吐き出されず体内に蓄積されている状態といえます。
2型はさらに、A-aDO2が開大するものと、開大しないものに分類されます。
※A-aDO2とは肺胞気動脈血酸素分圧較差のこと。理想的な肺胞気と動脈血の酸素分圧較差を指します。
原因疾患
1型呼吸不全の代表的な原因疾患は、間質性肺炎、肺水腫、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)、無気肺、肺血栓塞栓症、肺動静脈瘻などが挙げられます。
2型呼吸不全の代表的な原因疾患は、
A-aDO2が開大するケースではCOPD、気管支喘息などが挙げられ、
A-aDO2が開大しないケースでは原発性肺胞低換気症候群、脳血管疾患、睡眠薬の過量服用など、ギランバレー症候群、進行性筋ジストロフィー、重症筋無力症などの神経系疾患、筋疾患などが挙げられます。
治療法の違い
1型呼吸不全では酸素が不足している状態なので、基本的には酸素を補うことが治療法になります。在宅療養では、HOTを導入します。
一方、2型呼吸不全ではCO2が体内に貯留しているため、CO2ナルコーシスを起こしてしまいます。しがたって、体内に貯留しているCO2を吐き出させるためにNIPPV 等を導入します。
まとめ
今回は呼吸不全の分類についてお話しました。呼吸不全は分類によって医療的なアプローチが異なります。それぞれの分類について正しく理解数必要がありますね。
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