個人宅 訪問診療導入事例「胃瘻造設後の寝たきり高齢女性に対し、家族への医療的ケア支援を含めた在宅療養体制を構築した事例」
2026/08/13 (Thu) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1742
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
誤嚥性肺炎による長期入院後に胃瘻を造設し、ADLが著しく低下した81歳女性に対し、訪問診療を導入した事例である。家族は自宅療養を希望していたが、胃瘻管理や喀痰吸引、急変時対応への不安が強く、医療的ケアを継続できる支援体制の構築が必要であった。在宅医療では、胃瘻管理、誤嚥予防、全身状態の確認を行うとともに、訪問看護による家族指導、福祉用具導入、レスパイト先の検討を進めた。ケアマネジャーにとっては、医療的ケアの手技だけでなく、家族が介護を抱え込まず、相談しながら継続できる環境を退院前から整えることが重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:81歳・女性居住地:名古屋市熱田区世帯構成:親子キーパーソン:長男(同居)
保険・福祉情報
医療保険:医療保険利用介護保険:要介護5
診断名
・誤嚥性肺炎後・胃瘻造設後
導入の背景
誤嚥性肺炎による長期入院後、経口摂取の継続が困難となり、胃瘻が造設された。長期入院によるADL低下も著しく、退院時にはほぼ寝たきりの状態であった。
病院からは施設入所も提案されていたが、長男夫婦は可能な限り自宅で介護したいと希望していた。一方、家族には医療的ケアの経験がなく、胃瘻管理や喀痰吸引、発熱時の対応について強い不安を抱えていた。
退院前カンファレンスでも、自宅で介護を継続できるか、急変時にどのように対応すべきかについて繰り返し質問があり、在宅移行への心理的負担は大きい状態であった。
家族のみで介護と医療的ケアを抱え込めば、早期に介護継続が困難となる可能性もあった。このため、胃瘻管理、誤嚥予防、全身状態の確認を継続しながら、家族が相談しながら介護できる体制を整える目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、呼吸状態、体温、喀痰量、胃瘻部の状態、栄養投与状況などを継続的に確認した。発熱や痰の増加など、誤嚥性肺炎の再発につながる変化を早期に把握できるよう支援した。
訪問看護と連携し、胃瘻からの栄養投与、胃瘻部の観察、喀痰吸引の方法について家族へ繰り返し説明した。手技を一度伝えて終えるのではなく、家族が実際に行う様子を確認しながら、不安や疑問に応じて指導を継続した。
介護ベッド、エアマット、移乗機器などの福祉用具も早期に導入し、褥瘡や介助時の事故を予防するとともに、家族の身体的負担を軽減した。介護者が休息を確保できるよう、ショートステイ利用が可能な施設についても事前に情報を共有した。
家族は徐々に医療的ケアへ慣れ、発熱や喀痰の変化がみられた際にも早期に相談できるようになった。重症化する前に対応できる場面が増え、再入院を最小限に抑えながら在宅生活を継続できた。
本人も、入院中と比べて自宅では家族の声かけに反応し、笑顔を見せる場面が増えた。
医療対応の詳細
主病
誤嚥性肺炎後、胃瘻造設後
対応内容
・呼吸状態、体温および喀痰量の継続的評価・誤嚥性肺炎再発兆候の早期把握・胃瘻部および栄養投与状況の確認・家族への胃瘻管理方法の指導・家族への喀痰吸引および発熱時対応の説明・褥瘡予防を含めた全身状態の管理・訪問看護との継続的な情報共有・福祉用具導入による介護負担軽減・ショートステイを含めたレスパイト体制の検討
医療処置
・胃瘻管理・喀痰吸引
支援のポイント
・退院前から家族の医療的ケア経験と不安の程度を具体的に確認する・胃瘻管理や喀痰吸引は、家族が実際に行えるまで繰り返し説明する・発熱、痰の増加、呼吸状態の変化など、相談すべき兆候を明確に共有する・介護ベッドや移乗機器を早期に導入し、介護者の身体的負担を軽減する・家族のみで介護を抱え込まないよう、訪問看護やレスパイトサービスを組み合わせる・急変時に相談できる連絡先を明確にし、家族が判断を抱え込まない体制を整える
考察
本症例は、誤嚥性肺炎後に胃瘻を造設し、寝たきりとなった高齢者を自宅で受け入れるにあたり、家族への医療的ケア支援が重要となった事例である。
胃瘻や喀痰吸引を必要とする患者の在宅移行では、必要な手技を家族へ説明するだけでは十分ではない。家族がどの程度理解し、実際に対応できるかを確認しながら、繰り返し支援する必要がある。また、家族がすべてを担う前提ではなく、訪問看護や福祉用具、レスパイトサービスを組み合わせ、介護を継続できる環境を整えることが重要である。
本症例では、早期相談体制と多職種による支援を整えたことで、家族の不安が軽減し、状態変化にも重症化前に対応できるようになった。ケアマネジャーにとっては、本人に必要な医療的ケアだけでなく、介護する家族が無理なく継続できるかを評価し、介護者が壊れない支援体制を退院前から設計する視点が求められる。
付記情報
・診療科:内科・病態・症状:その他・世帯構成:親子
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基本情報
年齢・性別:81歳・女性居住地:名古屋市熱田区世帯構成:親子キーパーソン:長男(同居)
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診断名
・誤嚥性肺炎後・胃瘻造設後
導入の背景
誤嚥性肺炎による長期入院後、経口摂取の継続が困難となり、胃瘻が造設された。長期入院によるADL低下も著しく、退院時にはほぼ寝たきりの状態であった。
病院からは施設入所も提案されていたが、長男夫婦は可能な限り自宅で介護したいと希望していた。一方、家族には医療的ケアの経験がなく、胃瘻管理や喀痰吸引、発熱時の対応について強い不安を抱えていた。
退院前カンファレンスでも、自宅で介護を継続できるか、急変時にどのように対応すべきかについて繰り返し質問があり、在宅移行への心理的負担は大きい状態であった。
家族のみで介護と医療的ケアを抱え込めば、早期に介護継続が困難となる可能性もあった。このため、胃瘻管理、誤嚥予防、全身状態の確認を継続しながら、家族が相談しながら介護できる体制を整える目的で訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、呼吸状態、体温、喀痰量、胃瘻部の状態、栄養投与状況などを継続的に確認した。発熱や痰の増加など、誤嚥性肺炎の再発につながる変化を早期に把握できるよう支援した。
訪問看護と連携し、胃瘻からの栄養投与、胃瘻部の観察、喀痰吸引の方法について家族へ繰り返し説明した。手技を一度伝えて終えるのではなく、家族が実際に行う様子を確認しながら、不安や疑問に応じて指導を継続した。
介護ベッド、エアマット、移乗機器などの福祉用具も早期に導入し、褥瘡や介助時の事故を予防するとともに、家族の身体的負担を軽減した。介護者が休息を確保できるよう、ショートステイ利用が可能な施設についても事前に情報を共有した。
家族は徐々に医療的ケアへ慣れ、発熱や喀痰の変化がみられた際にも早期に相談できるようになった。重症化する前に対応できる場面が増え、再入院を最小限に抑えながら在宅生活を継続できた。
本人も、入院中と比べて自宅では家族の声かけに反応し、笑顔を見せる場面が増えた。
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主病
誤嚥性肺炎後、胃瘻造設後
対応内容
・呼吸状態、体温および喀痰量の継続的評価・誤嚥性肺炎再発兆候の早期把握・胃瘻部および栄養投与状況の確認・家族への胃瘻管理方法の指導・家族への喀痰吸引および発熱時対応の説明・褥瘡予防を含めた全身状態の管理・訪問看護との継続的な情報共有・福祉用具導入による介護負担軽減・ショートステイを含めたレスパイト体制の検討
医療処置
・胃瘻管理・喀痰吸引
支援のポイント
・退院前から家族の医療的ケア経験と不安の程度を具体的に確認する・胃瘻管理や喀痰吸引は、家族が実際に行えるまで繰り返し説明する・発熱、痰の増加、呼吸状態の変化など、相談すべき兆候を明確に共有する・介護ベッドや移乗機器を早期に導入し、介護者の身体的負担を軽減する・家族のみで介護を抱え込まないよう、訪問看護やレスパイトサービスを組み合わせる・急変時に相談できる連絡先を明確にし、家族が判断を抱え込まない体制を整える
考察
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胃瘻や喀痰吸引を必要とする患者の在宅移行では、必要な手技を家族へ説明するだけでは十分ではない。家族がどの程度理解し、実際に対応できるかを確認しながら、繰り返し支援する必要がある。また、家族がすべてを担う前提ではなく、訪問看護や福祉用具、レスパイトサービスを組み合わせ、介護を継続できる環境を整えることが重要である。
本症例では、早期相談体制と多職種による支援を整えたことで、家族の不安が軽減し、状態変化にも重症化前に対応できるようになった。ケアマネジャーにとっては、本人に必要な医療的ケアだけでなく、介護する家族が無理なく継続できるかを評価し、介護者が壊れない支援体制を退院前から設計する視点が求められる。
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発行元
医療法人豊隆会 ちくさ病院
在宅医療推進部
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