個人宅 訪問診療導入事例「進行性間質性肺疾患による通院困難に対し、高齢夫婦世帯で在宅酸素療養継続を支えた訪問診療導入事例」
2026/07/07 (Tue) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1706
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
進行性間質性肺疾患と慢性呼吸不全を有し、在宅酸素療法を導入しながら生活していた高齢女性に対し、通院負担増大と家族介護負担を背景に訪問診療を導入した事例である。在宅医療では在宅酸素療法の継続管理と呼吸状態悪化時の早期対応を行い、本人希望を尊重した在宅生活継続を支援した。ケアマネジャーにとっては、高齢介護者を含む家族支援と、呼吸器疾患特有の急変リスクに備えた情報共有体制構築が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:88歳・女性居住地:名古屋市瑞穂区世帯構成:夫婦のみキーパーソン:次女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険1割負担福祉給付金資格者証あり介護保険:要介護4
診断名
・進行性間質性肺疾患・慢性呼吸不全
導入の背景
本人は数年前より間質性肺疾患に対して専門病院へ通院していた。病状進行に伴い慢性呼吸不全を認め、在宅酸素療法を導入し、酸素吸入下で生活していた。
その後、冬季に呼吸状態が急激に悪化し救急搬送となり、急性増悪に対してステロイド治療が行われた。一時は在宅復帰も危ぶまれたが、治療により状態は改善した。
退院後は外来リハビリへ通院していたものの、体力低下が著しく、自宅内移動にも休憩を要する状態となった。外出時は車椅子を利用していたが、病院までの移動自体が大きな負担となり、徐々に通院継続が難しくなっていった。
同居する夫も90歳と高齢であり、酸素ボンベ管理や通院介助に限界を感じていた。次女は協力的で頻繁に様子を見に来ていたが、仕事と家庭を抱えており、毎日の支援は困難な状況であった。
担当ケアマネジャーからは、呼吸状態悪化時の対応への不安、家族だけで酸素療養を継続できるかという懸念、今後さらにADLが低下した場合の相談先を確保したいという相談が寄せられていた。専門病院での治療が一段落し、今後は生活を支える医療が中心になると説明されていたことから、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
導入前に相談員が本人、家族と面談を行った。本人は、病院に行くだけで疲れてしまう、できるだけ自宅で夫と一緒に暮らしたいという意向を示していた。一方で夫は、何かあった時に自分だけで対応できるか不安であり、夜間に苦しくなった時の対応にも強い不安を抱えていた。
訪問診療では、定期的な診療、訪問看護との連携、在宅酸素療法の継続管理、呼吸状態悪化時の早期対応、必要時のレスパイト入院調整を行う体制について説明し、家族も通院負担軽減の意義を理解したうえで導入となった。
介入後は月2回の定期訪問を実施し、診療ごとに診療レポートをケアマネジャーへ共有した。息切れ増悪や酸素流量変更の必要性についても訪問看護と随時連携し、病院へ行かずとも在宅で状態観察と治療継続が可能となった。結果として、本人は住み慣れた自宅での生活を継続でき、家族の介護不安も軽減された。
医療対応の詳細
主病
進行性間質性肺疾患、慢性呼吸不全
対応内容
・在宅酸素療法の継続管理・呼吸状態の定期的評価・呼吸状態悪化時の早期対応・訪問看護との連携による状態観察・必要時のレスパイト入院調整・家族への病状説明と不安軽減支援
医療処置
在宅酸素療法
支援のポイント
・通院困難となる前の段階で訪問診療導入を検討する・本人だけでなく、高齢介護者である夫の負担軽減を支援目標に含める・呼吸器疾患特有の急変リスクに備え、多職種で情報共有体制を整える・在宅酸素療法の管理を家族任せにせず、医療職が継続的に介入する・次女を含めた家族全体で役割分担を整理し、無理のない支援体制を構築する・通院継続が難しくなった後ではなく、生活を支える医療へ円滑に移行できる時期を見極める
考察
呼吸器疾患患者では、ADL低下に伴い病院へ行くこと自体が大きな負担となることが少なくない。特に高齢夫婦世帯では、本人の病状進行だけでなく、介護者の体力低下も同時進行しており、通院継続が限界を迎えてから相談となるケースも多い。
本症例では、専門病院での治療が一段落したタイミングで在宅医療へ移行したことで、医療の継続性を保ちながら本人の希望する生活を支えることができた。また、訪問診療が介入することで、ケアマネジャーや家族が抱える急変時への不安を軽減し、多職種による在宅療養支援体制構築につながった事例である。
付記情報
・診療科:内科、呼吸器内科・病態・症状:その他・世帯構成:夫婦のみ
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診断名
・進行性間質性肺疾患・慢性呼吸不全
導入の背景
本人は数年前より間質性肺疾患に対して専門病院へ通院していた。病状進行に伴い慢性呼吸不全を認め、在宅酸素療法を導入し、酸素吸入下で生活していた。
その後、冬季に呼吸状態が急激に悪化し救急搬送となり、急性増悪に対してステロイド治療が行われた。一時は在宅復帰も危ぶまれたが、治療により状態は改善した。
退院後は外来リハビリへ通院していたものの、体力低下が著しく、自宅内移動にも休憩を要する状態となった。外出時は車椅子を利用していたが、病院までの移動自体が大きな負担となり、徐々に通院継続が難しくなっていった。
同居する夫も90歳と高齢であり、酸素ボンベ管理や通院介助に限界を感じていた。次女は協力的で頻繁に様子を見に来ていたが、仕事と家庭を抱えており、毎日の支援は困難な状況であった。
担当ケアマネジャーからは、呼吸状態悪化時の対応への不安、家族だけで酸素療養を継続できるかという懸念、今後さらにADLが低下した場合の相談先を確保したいという相談が寄せられていた。専門病院での治療が一段落し、今後は生活を支える医療が中心になると説明されていたことから、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
導入前に相談員が本人、家族と面談を行った。本人は、病院に行くだけで疲れてしまう、できるだけ自宅で夫と一緒に暮らしたいという意向を示していた。一方で夫は、何かあった時に自分だけで対応できるか不安であり、夜間に苦しくなった時の対応にも強い不安を抱えていた。
訪問診療では、定期的な診療、訪問看護との連携、在宅酸素療法の継続管理、呼吸状態悪化時の早期対応、必要時のレスパイト入院調整を行う体制について説明し、家族も通院負担軽減の意義を理解したうえで導入となった。
介入後は月2回の定期訪問を実施し、診療ごとに診療レポートをケアマネジャーへ共有した。息切れ増悪や酸素流量変更の必要性についても訪問看護と随時連携し、病院へ行かずとも在宅で状態観察と治療継続が可能となった。結果として、本人は住み慣れた自宅での生活を継続でき、家族の介護不安も軽減された。
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発行元
医療法人豊隆会 ちくさ病院
在宅医療推進部
Copyright © 2019 Chikusa Hospital All Rights Reserved.