個人宅 訪問診療導入事例「慢性心不全と腎不全を有する高齢女性に対し、本人意思を中心としたACP支援を目的に訪問診療を導入した事例」
2026/06/19 (Fri) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1705
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
慢性心不全による入退院を繰り返していた高齢女性に対し、病状管理に加えて本人意思を中心としたACP支援を進める目的で訪問診療を導入した事例である。本人は以前から最期は家で過ごしたい意向を持っていたが、家族間では在宅療養と救急搬送に対する考え方に差があり、退院後の療養方針が曖昧なままとなっていた。在宅医療では慢性心不全と腎不全の管理を継続しながら、家族カンファレンスを重ね、急変時対応や療養場所について具体的な話し合いを進めた。ケアマネジャーにとっては、疾患管理のみでなく、家族間の意向調整と本人の意思表明を支えることが重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:89歳・女性居住地:名古屋市天白区世帯構成:その他キーパーソン:長女
保険・福祉情報
医療保険:医療保険利用介護保険:要介護4
診断名
・慢性心不全・腎不全
導入の背景
慢性心不全による入退院を繰り返しており、退院後の療養方針がその都度課題となっていた。本人は以前から、できれば最期は家で過ごしたいと話していたが、家族間では意見が分かれていた。長女は本人希望を尊重した在宅療養を望んでいた一方、長男は急変時には病院へ連れて行くべきと考えており、医療者側も家族の意向把握に苦慮していた。本人自身も子どもたちに迷惑をかけたくない思いが強く、本音を十分に表出できない状況であった。このため、病状管理に加え、本人意思を中心とした意思決定支援を進める必要があると判断され、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、慢性心不全と腎不全の全身状態を継続的に確認しながら、本人および家族との話し合いを重ねた。ケアマネジャーと連携し、家族カンファレンスを複数回実施することで、本人の希望を丁寧に確認した。急変時対応や救急搬送希望の有無について具体的に話し合い、多職種で共有した。また、家族それぞれが抱える不安や葛藤にも耳を傾け、対立の整理ではなく、共通理解形成を目指して支援を進めた。結果として、家族は徐々に本人希望を共有できるようになり、急変時にも大きな混乱なく本人意思に沿った療養支援が可能となった。
医療対応の詳細
主病
慢性心不全、腎不全
対応内容
・慢性心不全および腎不全の継続的評価・全身状態の変化に応じた病状管理・本人意思の確認とACP支援・家族カンファレンスによる療養方針共有・急変時対応および救急搬送希望の整理
医療処置
該当なし
支援のポイント
・入退院を繰り返す段階で、病状管理と並行してACP支援を開始する・本人が家族に遠慮して本音を言いにくい場合は、意思表明しやすい場を意図的に作る・家族間で療養方針に差がある場合は、結論を急がず不安や葛藤の背景を整理する・急変時対応や救急搬送の希望は、抽象的にせず具体的に確認する・ケアマネジャーは、医療と家族支援の橋渡し役として多職種間の共通理解を支える
考察
本症例は、慢性心不全と腎不全を有する高齢者において、病気そのものよりも意思決定支援が大きな課題となっていた事例である。本人の希望が存在していても、家族間で受け止め方に差がある場合、療養方針は曖昧なままとなりやすく、急変時に混乱が生じやすい。訪問診療は、病状管理を行うだけでなく、本人の気持ちを言語化し、家族間で共有できるよう支援する役割を担う。本事例では、繰り返し話し合う場を持ったことで、本人が自分の気持ちを聞いてもらえたと安心でき、家族も本人意思を軸に療養方針を共有できるようになった。ケアマネジャーにとっては、在宅療養支援では症状管理と同じくらい、本人意思と家族理解をつなぐ支援が重要であることを示す症例である。
付記情報
・診療科:内科・病態・症状:慢性心不全、腎不全、入退院反復・世帯構成:その他
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TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
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TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
渡邉相談員 担当エリア:千種区・瑞穂区・南区・天白区・中区
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医療法人豊隆会 ちくさ病院
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Copyright © 2019 Chikusa Hospital All Rights Reserved.
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基本情報
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・慢性心不全・腎不全
導入の背景
慢性心不全による入退院を繰り返しており、退院後の療養方針がその都度課題となっていた。本人は以前から、できれば最期は家で過ごしたいと話していたが、家族間では意見が分かれていた。長女は本人希望を尊重した在宅療養を望んでいた一方、長男は急変時には病院へ連れて行くべきと考えており、医療者側も家族の意向把握に苦慮していた。本人自身も子どもたちに迷惑をかけたくない思いが強く、本音を十分に表出できない状況であった。このため、病状管理に加え、本人意思を中心とした意思決定支援を進める必要があると判断され、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、慢性心不全と腎不全の全身状態を継続的に確認しながら、本人および家族との話し合いを重ねた。ケアマネジャーと連携し、家族カンファレンスを複数回実施することで、本人の希望を丁寧に確認した。急変時対応や救急搬送希望の有無について具体的に話し合い、多職種で共有した。また、家族それぞれが抱える不安や葛藤にも耳を傾け、対立の整理ではなく、共通理解形成を目指して支援を進めた。結果として、家族は徐々に本人希望を共有できるようになり、急変時にも大きな混乱なく本人意思に沿った療養支援が可能となった。
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考察
本症例は、慢性心不全と腎不全を有する高齢者において、病気そのものよりも意思決定支援が大きな課題となっていた事例である。本人の希望が存在していても、家族間で受け止め方に差がある場合、療養方針は曖昧なままとなりやすく、急変時に混乱が生じやすい。訪問診療は、病状管理を行うだけでなく、本人の気持ちを言語化し、家族間で共有できるよう支援する役割を担う。本事例では、繰り返し話し合う場を持ったことで、本人が自分の気持ちを聞いてもらえたと安心でき、家族も本人意思を軸に療養方針を共有できるようになった。ケアマネジャーにとっては、在宅療養支援では症状管理と同じくらい、本人意思と家族理解をつなぐ支援が重要であることを示す症例である。
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