個人宅 訪問診療導入事例「独居で生活破綻が進行した慢性閉塞性肺疾患患者に対し、生活再建を含めて在宅療養支援を開始した訪問診療導入事例」
2026/06/18 (Thu) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1704
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
慢性閉塞性肺疾患、高血圧、栄養障害を有し、独居生活のなかで受診中断と生活環境悪化が進行していた高齢男性に対し、訪問診療を導入した事例である。本事例では、疾患管理そのものに加え、ゴミの放置、低栄養、衛生環境悪化、社会的孤立といった生活破綻への介入が重要課題であった。在宅医療では、本人の拒否感に配慮しながら多職種で小さな目標を共有し、継続的な関係構築を通じて生活再建を支援した。ケアマネジャーにとっては、独居高齢者支援では病気のみでなく、生活そのものの崩れと社会的孤立を一体として捉える視点が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:79歳・男性居住地:名古屋市西区世帯構成:独居キーパーソン:地域包括支援センター
保険・福祉情報
医療保険:医療保険利用介護保険:要介護1
診断名
・慢性閉塞性肺疾患・高血圧・栄養障害
導入の背景
長年独居生活を続けており、地域との交流は少なく、近隣住民との関わりもほとんどない生活であった。以前は近医へ通院していたが、徐々に受診が途絶えていた。地域包括支援センターへ、最近姿を見かけない、家の前にゴミが溜まっているとの相談が入り、支援介入が開始された。ケアマネジャー初回訪問時には、室内に大量のゴミや空き缶が散乱し、冷蔵庫にはほとんど食料がない状態であった。体重減少も著明であり、本人は食べなくても別に困らない、病院は面倒と話しており、医療介入にも消極的であった。また、入浴習慣も途絶えており、衣類汚染や室内衛生環境悪化もみられていた。転倒歴もあったが受診には至っておらず、外来受診継続は困難な状況であった。単なる疾患管理ではなく、生活破綻そのものへの介入が必要と判断され、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、慢性閉塞性肺疾患や高血圧の管理と並行して、生活環境悪化と低栄養への支援を進めた。訪問看護、ヘルパー、地域包括支援センターと連携し、まずは生活環境改善から介入を開始した。本人は指導されることへの拒否感が強かったため、できていないことを責めず、ゴミを1袋だけ出す、水分を少し取るといった小さな目標設定を多職種で共有した。栄養状態悪化については管理栄養士とも連携し、本人が受け入れやすい食品選択を提案した。当初は無言で診察を受けることも多かったが、定期訪問を重ねるなかで徐々に会話が増加し、今日はコンビニに行った、少し食べたなど、自身の生活について話される場面が増えていった。体重減少の進行は緩やかとなり、重度脱水による救急搬送は回避された。完全に社会から孤立した状態から、定期的に人と関わる生活へ変化したことが大きな支援成果となった。
医療対応の詳細
主病
慢性閉塞性肺疾患、高血圧、栄養障害
対応内容
・慢性閉塞性肺疾患および高血圧の継続的評価・体重減少と低栄養状態の把握・脱水予防に向けた水分摂取支援・生活環境悪化に伴う健康リスク評価・管理栄養士を含めた栄養支援・多職種による生活再建支援と関係構築
医療処置
該当なし
支援のポイント
・独居高齢者では、受診中断や栄養障害の背景に生活破綻と社会的孤立がないかを確認する・疾患管理だけでなく、ゴミの放置、食料不足、衛生環境悪化を在宅療養上の重要課題として捉える・本人に拒否感が強い場合は、生活全体を一気に変えようとせず、小さな目標を積み重ねる・指導や是正よりも、継続的につながり続ける支援を優先する・多職種で関わり方を統一し、責めない支援姿勢を共有する・栄養支援では一般論ではなく、本人が受け入れやすい食品や方法を具体化する
考察
本症例は、慢性疾患を有する独居高齢者において、疾患管理以前に生活そのものが崩れていた事例である。受診中断、低栄養、衛生環境悪化、転倒歴といった問題は個別にみればそれぞれ別の課題であるが、実際には社会的孤立の中で相互に悪化し合っていた。訪問診療は、病気を治療する場であると同時に、社会から切れかけた生活との接点を作る役割も担いうる。本事例では、医療、介護、地域支援が同じ方向性で関わり続けたことで、本人が完全に孤立した状態から抜け出し、生活再建の糸口を作ることができた。ケアマネジャーにとっては、独居高齢者支援では、病気と生活を切り分けず、継続的につながること自体を支援目標に置く視点が重要である。
付記情報
・診療科:内科・病態・症状:慢性閉塞性肺疾患、高血圧、栄養障害、体重減少、低栄養、衛生環境悪化、社会的孤立・世帯構成:独居
在宅医療相談窓口
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大塚相談員 担当エリア:緑区・東区・昭和区・西区・中川区・守山区
TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
佐藤相談員担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東区・北区
TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
渡邉相談員 担当エリア:千種区・瑞穂区・南区・天白区・中区
TEL:080-3595-8467 ( tel:08035958467 )
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・ちくさ病院の取り組み: 地域の在宅医療を支える訪問診療体制や当院の地域への働きかけのご紹介
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基本情報
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保険・福祉情報
医療保険:医療保険利用介護保険:要介護1
診断名
・慢性閉塞性肺疾患・高血圧・栄養障害
導入の背景
長年独居生活を続けており、地域との交流は少なく、近隣住民との関わりもほとんどない生活であった。以前は近医へ通院していたが、徐々に受診が途絶えていた。地域包括支援センターへ、最近姿を見かけない、家の前にゴミが溜まっているとの相談が入り、支援介入が開始された。ケアマネジャー初回訪問時には、室内に大量のゴミや空き缶が散乱し、冷蔵庫にはほとんど食料がない状態であった。体重減少も著明であり、本人は食べなくても別に困らない、病院は面倒と話しており、医療介入にも消極的であった。また、入浴習慣も途絶えており、衣類汚染や室内衛生環境悪化もみられていた。転倒歴もあったが受診には至っておらず、外来受診継続は困難な状況であった。単なる疾患管理ではなく、生活破綻そのものへの介入が必要と判断され、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
訪問診療開始後は、慢性閉塞性肺疾患や高血圧の管理と並行して、生活環境悪化と低栄養への支援を進めた。訪問看護、ヘルパー、地域包括支援センターと連携し、まずは生活環境改善から介入を開始した。本人は指導されることへの拒否感が強かったため、できていないことを責めず、ゴミを1袋だけ出す、水分を少し取るといった小さな目標設定を多職種で共有した。栄養状態悪化については管理栄養士とも連携し、本人が受け入れやすい食品選択を提案した。当初は無言で診察を受けることも多かったが、定期訪問を重ねるなかで徐々に会話が増加し、今日はコンビニに行った、少し食べたなど、自身の生活について話される場面が増えていった。体重減少の進行は緩やかとなり、重度脱水による救急搬送は回避された。完全に社会から孤立した状態から、定期的に人と関わる生活へ変化したことが大きな支援成果となった。
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主病
慢性閉塞性肺疾患、高血圧、栄養障害
対応内容
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・独居高齢者では、受診中断や栄養障害の背景に生活破綻と社会的孤立がないかを確認する・疾患管理だけでなく、ゴミの放置、食料不足、衛生環境悪化を在宅療養上の重要課題として捉える・本人に拒否感が強い場合は、生活全体を一気に変えようとせず、小さな目標を積み重ねる・指導や是正よりも、継続的につながり続ける支援を優先する・多職種で関わり方を統一し、責めない支援姿勢を共有する・栄養支援では一般論ではなく、本人が受け入れやすい食品や方法を具体化する
考察
本症例は、慢性疾患を有する独居高齢者において、疾患管理以前に生活そのものが崩れていた事例である。受診中断、低栄養、衛生環境悪化、転倒歴といった問題は個別にみればそれぞれ別の課題であるが、実際には社会的孤立の中で相互に悪化し合っていた。訪問診療は、病気を治療する場であると同時に、社会から切れかけた生活との接点を作る役割も担いうる。本事例では、医療、介護、地域支援が同じ方向性で関わり続けたことで、本人が完全に孤立した状態から抜け出し、生活再建の糸口を作ることができた。ケアマネジャーにとっては、独居高齢者支援では、病気と生活を切り分けず、継続的につながること自体を支援目標に置く視点が重要である。
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発行元
医療法人豊隆会 ちくさ病院
在宅医療推進部
Copyright © 2019 Chikusa Hospital All Rights Reserved.