個人宅 訪問診療導入事例「老老介護下で主介護者の身体機能低下が進行した高齢女性に対し、夫婦世帯を一体で支える目的で訪問診療を導入した事例」
2026/05/15 (Fri) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1680
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
変形性膝関節症、慢性心不全、骨粗鬆症を有し、夫の介護を担っていた高齢女性に対し、膝痛増悪と転倒を契機に通院困難となった段階で訪問診療を導入した事例である。本人は夫の介護継続を強く意識していたが、自身の身体機能低下により、夫婦ともに在宅生活の継続が不安定となっていた。訪問診療では疼痛管理と心不全管理を行いながら、介護者支援を利用者支援の一部として位置づけ、夫婦双方を一体として支える体制を整えた。ケアマネジャーにとっては、老老介護において主介護者の限界を早期に見極め、医療と介護を再構築する視点が重要となる症例である。
基本情報
年齢・性別:79歳・女性居住地:名古屋市南区世帯構成:夫婦のみキーパーソン:次女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険1割負担介護保険:要介護2
診断名
・変形性膝関節症・慢性心不全・骨粗鬆症
導入の背景
もともとは自立度も高く、夫の介護を中心的に担っていたが、数か月前より膝痛が増悪し、歩行能力が低下した。転倒を契機に活動量は著明に低下し、通院継続も困難となった。夫は中等度の認知症があり、日中の見守りや生活支援が必要な状態であったが、本人の身体機能低下により介護が十分に行えなくなっていた。次女は市内に在住していたものの、仕事と家庭の両立の中で頻回な支援は難しく、できる範囲で関わる状況であった。主介護者の身体機能低下、夫婦ともに支援が必要な状態、家族支援力の限界といった課題が重なり、本人および夫双方の健康管理を在宅で行う必要性が高まったことから、訪問診療導入に至った。
介入内容と経過
初回訪問時、本人は自分が倒れたら夫が困るという思いが強く、サービス利用に対して遠慮がみられた。そこで、本人の健康維持が結果的に夫の生活を守ることにつながるという視点を共有し、支援受け入れへの意識変容を図った。訪問診療では、膝関節痛に対する疼痛コントロールと慢性心不全管理を行い、訪問看護と連携しながら日常生活動作の維持を支援した。同時にケアマネジャーと連携し、夫への介護サービスとしてデイサービスや訪問介護の導入を段階的に進めた。結果として、本人の身体的負担は軽減され、夫婦ともに在宅生活を継続できている。
医療対応の詳細
主病
変形性膝関節症、慢性心不全、骨粗鬆症
対応内容
・膝関節痛に対する薬物療法および関節内注射の調整・心不全の内服管理および体液管理・骨粗鬆症治療・訪問看護と連携したバイタルモニタリング・身体機能低下に伴う生活上の支障評価
医療処置
関節内注射(適宜)
支援のポイント
・介護者支援そのものが利用者支援であるという視点を共有する・夫婦双方を一体として捉え、片方のみでなく世帯全体で支援設計を行う・主介護者の身体機能低下を早期に把握し、支援強化のタイミングを逃さない・家族の支援力を過大評価せず、現実的な範囲で役割分担を整理する・本人の遠慮や罪悪感に配慮しながら、介護サービス導入の必要性を丁寧に共有する
考察
本事例は、いわゆる老老介護において、主介護者が身体的限界に近づきつつある典型的な事例である。支援の必要性は被介護者側だけでなく、介護者側にも同時に生じており、どちらか一方のみを対象とした支援では在宅継続が不安定となる。ケアマネジャーにとっては、どのタイミングで支援を強化するか、どこまで在宅を維持するかの判断が難しいが、主介護者の負担増大を見逃さず、世帯単位で支援を再設計する視点が重要である。訪問診療は、単なる医療提供にとどまらず、介護体制の再構築を支えるハブとして機能することで、在宅生活の継続可能性を高める役割を果たした事例である。
付記情報
・診療科:内科、整形外科・病態・症状:変形性膝関節症、慢性心不全、骨粗鬆症、歩行能力低下、活動量低下・世帯構成:夫婦のみ
在宅医療相談窓口
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TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
佐藤相談員担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東区・北区
TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
渡邉相談員 担当エリア:千種区・瑞穂区・南区・天白区・中区
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基本情報
年齢・性別:79歳・女性居住地:名古屋市南区世帯構成:夫婦のみキーパーソン:次女(別居)
保険・福祉情報
医療保険:後期高齢者医療保険1割負担介護保険:要介護2
診断名
・変形性膝関節症・慢性心不全・骨粗鬆症
導入の背景
もともとは自立度も高く、夫の介護を中心的に担っていたが、数か月前より膝痛が増悪し、歩行能力が低下した。転倒を契機に活動量は著明に低下し、通院継続も困難となった。夫は中等度の認知症があり、日中の見守りや生活支援が必要な状態であったが、本人の身体機能低下により介護が十分に行えなくなっていた。次女は市内に在住していたものの、仕事と家庭の両立の中で頻回な支援は難しく、できる範囲で関わる状況であった。主介護者の身体機能低下、夫婦ともに支援が必要な状態、家族支援力の限界といった課題が重なり、本人および夫双方の健康管理を在宅で行う必要性が高まったことから、訪問診療導入に至った。
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支援のポイント
・介護者支援そのものが利用者支援であるという視点を共有する・夫婦双方を一体として捉え、片方のみでなく世帯全体で支援設計を行う・主介護者の身体機能低下を早期に把握し、支援強化のタイミングを逃さない・家族の支援力を過大評価せず、現実的な範囲で役割分担を整理する・本人の遠慮や罪悪感に配慮しながら、介護サービス導入の必要性を丁寧に共有する
考察
本事例は、いわゆる老老介護において、主介護者が身体的限界に近づきつつある典型的な事例である。支援の必要性は被介護者側だけでなく、介護者側にも同時に生じており、どちらか一方のみを対象とした支援では在宅継続が不安定となる。ケアマネジャーにとっては、どのタイミングで支援を強化するか、どこまで在宅を維持するかの判断が難しいが、主介護者の負担増大を見逃さず、世帯単位で支援を再設計する視点が重要である。訪問診療は、単なる医療提供にとどまらず、介護体制の再構築を支えるハブとして機能することで、在宅生活の継続可能性を高める役割を果たした事例である。
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