個人宅 訪問診療導入事例「外陰パジェット病・悪性黒色腫を背景に多様な処置を抱えながら、一度自宅で暮らしたいという希望を実現した事例」
2026/01/26 (Mon) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1608
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
基本情報
年齢・性別:80歳・女性居住地:名古屋市東区家族構成:独居(長女は県外在住)保険・制度:生活保護受給中、介護保険申請中
保険・福祉情報
・生活保護受給・介護保険申請中・各種制度活用による訪問診療導入が可能な状況
診断名
・外陰パジェット病(再発)・左足底悪性黒色腫・気管支喘息・高血圧
導入の背景
外陰パジェット病は長期間再発を繰り返しており、局所病変は膀胱・尿道・腟内へ波及。腟が尿道口から開口し膀胱尿の流出が続く状態であった。さらに、尿閉により膀胱瘻・腎瘻が造設され、腸閉塞に伴い人工肛門も造設されていた。
独居で頻回な通院が難しいこと、また負担の大きい医療処置を在宅で行う必要があることから訪問診療導入が決定された。
介入内容と経過
訪問診療開始後は以下の医療管理を中心に実施:・膀胱瘻・腎瘻・人工肛門管理・疼痛コントロール・全身状態の観察
導入後約2週間で下肢リンパ節腫大および膀胱瘻周囲の腫脹を認め、急性疾患の可能性ありと判断しA病院へ搬送。その後、県外在住の長女宅での終末期ケアへ方針が切り替わり、当院での支援は終了した。
短期間での訪問診療ではあったが、本人が「一度自宅で独り暮らしを試みたい」という強い意思を持っていたため、その希望に沿う支援が実現できた。
医療対応の詳細
主病:左足底悪性黒色腫既往歴:外陰パジェット病、高血圧、気管支喘息
病状経過:・膀胱内・尿道・腟内へ進展・出血コントロール目的で輸血を実施・骨盤内・多発リンパ節腫大を認め、全身転移が進行・浸潤癌への転化が疑われる状態
対応方針:・症状緩和を優先・将来的には両側腎瘻造設や放射線照射などの緩和治療を検討・本人の希望に沿い、在宅で可能な限りの医療処置を実施
支援のポイント
・本人の「一度自宅で生活したい」という意向を最大限尊重・膀胱瘻・腎瘻・人工肛門など高度な処置を在宅で継続管理・家族・基幹病院・訪問看護・支援機関と密に連携し、短期間でも切れ目のない支援体制を確保・独居+生活保護という環境でも、適切な制度活用により在宅療養の選択肢を確保
考察
本事例は、高度な医療処置を複数抱え、かつ独居・生活保護という環境であっても、訪問診療・制度支援・多職種連携により「在宅で過ごす経験」を提供できたケースである。
終末期における在宅支援は、疾患管理のみならず、・本人がどこで過ごすことを望むのか・その実現のためにどのような支援体制が必要かを柔軟に組み合わせることが重要である。
訪問診療は「最期まで在宅で過ごす」だけでなく、“一度家に戻りたい”という希望をかなえる機能も担えることが改めて示された。
付記情報
・診療科:内科、緩和ケア科・病態・症状:がん、その他・世帯構成:独居
在宅医療相談窓口
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TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
佐藤相談員担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東区・北区
TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
渡邉相談員 担当エリア:千種区・瑞穂区・南区・天白区・中区
TEL:080-3595-8467 ( tel:08035958467 )
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診断名
・外陰パジェット病(再発)・左足底悪性黒色腫・気管支喘息・高血圧
導入の背景
外陰パジェット病は長期間再発を繰り返しており、局所病変は膀胱・尿道・腟内へ波及。腟が尿道口から開口し膀胱尿の流出が続く状態であった。さらに、尿閉により膀胱瘻・腎瘻が造設され、腸閉塞に伴い人工肛門も造設されていた。
独居で頻回な通院が難しいこと、また負担の大きい医療処置を在宅で行う必要があることから訪問診療導入が決定された。
介入内容と経過
訪問診療開始後は以下の医療管理を中心に実施:・膀胱瘻・腎瘻・人工肛門管理・疼痛コントロール・全身状態の観察
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病状経過:・膀胱内・尿道・腟内へ進展・出血コントロール目的で輸血を実施・骨盤内・多発リンパ節腫大を認め、全身転移が進行・浸潤癌への転化が疑われる状態
対応方針:・症状緩和を優先・将来的には両側腎瘻造設や放射線照射などの緩和治療を検討・本人の希望に沿い、在宅で可能な限りの医療処置を実施
支援のポイント
・本人の「一度自宅で生活したい」という意向を最大限尊重・膀胱瘻・腎瘻・人工肛門など高度な処置を在宅で継続管理・家族・基幹病院・訪問看護・支援機関と密に連携し、短期間でも切れ目のない支援体制を確保・独居+生活保護という環境でも、適切な制度活用により在宅療養の選択肢を確保
考察
本事例は、高度な医療処置を複数抱え、かつ独居・生活保護という環境であっても、訪問診療・制度支援・多職種連携により「在宅で過ごす経験」を提供できたケースである。
終末期における在宅支援は、疾患管理のみならず、・本人がどこで過ごすことを望むのか・その実現のためにどのような支援体制が必要かを柔軟に組み合わせることが重要である。
訪問診療は「最期まで在宅で過ごす」だけでなく、“一度家に戻りたい”という希望をかなえる機能も担えることが改めて示された。
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