個人宅 訪問診療導入事例「難病 多系統萎縮症による嚥下障害と低血圧、妻と支え合う在宅療養の選択」
2025/08/07 (Thu) 07:50
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vol.1497
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
基本情報
導入の背景通院による疲労が顕著となり、座位保持時間の短縮や体重減少もみられていた。主治医および家族の希望を受けて、在宅医療への移行が検討された。本人は「妻に迷惑をかけたくない」と語っていたが、在宅で支え合いながら過ごす選択肢として、訪問診療の導入が提案された。
介入内容と経過初回訪問では、体位変換すら困難な状況であり、体調に合わせた柔軟な診療体制が求められた。起立性低血圧に対してミドドリン塩酸塩を朝夕で調整。また、訪問看護・リハビリと連携し、経口摂取の維持に向けた訓練や、肺炎予防に配慮した口腔ケアの指導も行われた。妻に対しても医療職から定期的に声をかけることで、不安を訴える頻度が徐々に減少していった。
支援のポイント
考察多系統萎縮症は、進行に伴い身体機能が多方面にわたって低下するため、通院困難の早期から在宅移行を選択肢に含めることが望ましい。本人の「できるだけ自宅で過ごしたい」という想いを尊重しつつ、介護者となる家族の心理的・身体的負担を軽減する仕組みづくりが不可欠である。本事例では、医師・看護師・リハ職の密な連携により、在宅療養の不安を和らげ、夫婦の生活を支えるかたちが実現した。
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