個人宅 訪問診療導入事例「関節リウマチ治療の選択と在宅支援のバランス:感染リスクと疼痛コントロールのはざまで」
2025/06/10 (Tue) 07:50
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vol.1454
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
■ 基本情報年齢・性別:83歳・女性居住地:名古屋市瑞穂区家族構成:本人は独居。夫は施設入所中。長男は東京都在住、次男(キーパーソン)は市内在住。
■ 保険・福祉情報医療保険:後期高齢者医療保険(1割負担)介護保険:要介護3(1割負担)福祉給付金資格者証あり
■ 導入の背景本人は慢性関節リウマチをはじめとする複数の慢性疾患を有しており、疼痛のコントロールが日常生活に大きく影響していた。急性増悪として発熱・腹痛を主訴に救急搬送され、腎盂腎炎と診断。尿路管理のためのステント留置後、リハビリ目的で転院となったが、基礎疾患である関節リウマチの治療方針については、感染リスクとのバランスが課題となっていた。積極的治療による感染症リスクと、消極的治療による痛み・QOL低下のジレンマのなかで、家族がどこまで状況を理解し、方針を共有できているかが訪問診療導入の鍵であった。退院前カンファレンスにてこの点を確認し、当院からの訪問診療を導入する運びとなった。
■ 介入内容と経過整形外科クリニックでの関節リウマチの通院加療を継続しつつ、訪問診療では疼痛の緩和および全身状態のモニタリング、内服管理を実施。PSL(プレドニゾロン)とワントラムによる疼痛コントロールを行いながら、感染兆候や生活状況の確認を定期的に行っている。介入開始から1年以上が経過し、途中入退院を挟みながらも現在も在宅療養を継続中。独居生活に対しても、家族のサポートと多職種連携により、安定した支援体制が維持されている。
■ 医療対応の詳細主病:慢性関節リウマチ、シェーグレン症候群、骨粗鬆症、胸腰椎圧迫骨折、脊椎側弯症、子宮脱合併症:慢性疼痛、感染症反復歴医療行為:膀胱留置カテーテル管理薬剤:プレドニゾロン5mg、ワントラム等を訪問診療で処方継続併診:リウマチ専門クリニックへの通院併用
■ 支援のポイント
■ 考察本症例は、慢性関節リウマチという進行性かつ治療判断の難しい疾患を背景に、在宅療養の可否を家族と共に丁寧に検討したうえで訪問診療に至ったものである。特に、感染症と疼痛管理のトレードオフに対して、本人・家族の理解と意向を軸に支援が進められた点が重要であった。在宅療養を成り立たせるには、疾患の医学的マネジメントだけでなく、「どこまで治療するか」という問いに対する家族との合意形成が不可欠であることが再認識される症例である。
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在宅医療関するお問い合わせ・ご相談はこちらから ( https://w.bme.jp/38/3135/10001/XXXX )
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TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
佐藤相談員担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東区・北区
TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
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発行元
医療法人豊隆会 ちくさ病院
在宅医療推進部
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