高齢者に多い骨と関節の病気:症状と原因を徹底解説
2025/02/20 (Thu) 07:50
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vol.1381
高齢化社会が進む中で、骨や関節の健康について気にかけることは、私たち自身の生活の質を保つうえでも非常に重要です。特に高齢者の方々に多く見られる骨や関節の病気について知識を深め、適切な予防や対策を取ることが、健康寿命の延伸につながります。今回は、高齢者に多く見られる代表的な骨の病気やその症状について解説します。
骨粗鬆症
人間の骨は、古い骨を破壊・吸収する働き(骨吸収)と、新しい骨を作る働き(骨形成)を同時に行うことで、常に新しい状態を保っています。しかし、このバランスが崩れ、骨吸収の働きが骨形成を上回る状態が続くと、骨がもろくなり折れやすくなります。これが骨粗鬆症と呼ばれる病気です。骨粗鬆症は、カルシウムやマグネシウムといった骨を作るために必要な栄養素が不足することで発症しやすくなります。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足している場合も同様です。さらに、日常生活で骨にかかる負荷が少なすぎると、骨の生成効率が悪化し、骨を強化する働きが鈍くなるため、運動不足も重要な原因とされています。特に閉経後の女性では、骨芽細胞の働きを活発にする女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少するため、骨粗鬆症のリスクが高まることが知られています。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、一般的な腰痛と異なり、安静にしているときには痛みを感じることは少ないのが特徴です。しかし、背筋を伸ばして歩いているときや、長時間立っているときなどに、腰から下や太ももにしびれや痛みが現れます。これにより、歩きにくくなる症状が出ます。一方、座ったり前かがみになったりすると、痛みやしびれが和らぐのが特徴的です。この病気は、加齢や病気によって椎間板が変形したり、骨が突出したりすることで、脊柱管内の神経が圧迫されることが主な原因です。代表的な症状の一つに「間欠性跛行」があります。これは、一定の距離を歩くとしびれや痛みにより歩行が困難になり、休息を取ると症状が軽減して再び歩けるようになるというものです。症状がさらに進行すると、下半身の力が弱くなり、尿の出が悪くなったり、逆に尿が漏れたりする排尿障害が現れる場合もあります。
脆弱性骨折
脆弱性骨折とは、骨密度が低下しているために、転倒などの比較的軽い衝撃で骨折してしまう状態を指します。このような骨折は、高齢者、とりわけ骨粗鬆症を抱えている人に多く見られます。脆弱性骨折が起こる原因として最も多いのは、転倒です。加齢による運動能力の低下や視力障害などが原因で転倒することで、骨折が発生します。特に、大腿骨頸部や大腿骨転子部の骨折は深刻です。この部位を骨折すると、歩行が困難になり、寝たきりの状態や廃用症候群につながることも少なくありません。
関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、主に関節部分を侵す慢性の自己免疫疾患です。30代半ばから50代にかけて発症するケースが多い一方、小児期や高齢期に発症する場合もあります。この病気では、朝に関節がこわばり動きづらくなる症状が特徴的です。また、午後には全身の倦怠感や疲労感、微熱、筋力の低下、食欲不振などの症状も見られることがあります。関節部分には、痛みや腫れ、こわばりが現れますが、それだけではありません。皮下結節や胸水、肺線維化などの症状が現れることもあります。さらに、唾液や涙が出にくくなるシェーグレン症候群を伴う場合もあるため、多岐にわたる症状が発生する病気です。
変形性関節症
変形性関節症(OA)は、関節軟骨が破壊されることで起こる慢性の病気です。この病気では、軟骨がすり減ることで関節が滑らかに動かなくなり、動くたびに摩擦が生じるようになります。その結果、炎症が起きて関節が腫れ、痛みが生じるのが特徴です。これが進行すると、軟骨の下の骨が硬くなり、骨棘と呼ばれる突起が形成され、関節が変形して動きが悪くなります。主な症状としては、膝や股関節、肘、肩などに痛みや腫れが見られます。初期段階では、関節を動かし始めたときに痛みを感じる程度ですが、治療をしないまま放置すると関節の変形が進み、元の状態に戻すことが難しくなります。
まとめ
今回ご紹介した骨や関節の病気は、高齢者の生活に直接的な影響を及ぼすものばかりです。骨粗鬆症や変形性関節症など、予防が可能な病気も多いので、日常生活の中で栄養バランスの良い食事や適度な運動を取り入れることが大切です。また、症状に気づいたら早めに医師の診断を受けることも重要です。
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骨粗鬆症
人間の骨は、古い骨を破壊・吸収する働き(骨吸収)と、新しい骨を作る働き(骨形成)を同時に行うことで、常に新しい状態を保っています。しかし、このバランスが崩れ、骨吸収の働きが骨形成を上回る状態が続くと、骨がもろくなり折れやすくなります。これが骨粗鬆症と呼ばれる病気です。骨粗鬆症は、カルシウムやマグネシウムといった骨を作るために必要な栄養素が不足することで発症しやすくなります。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが不足している場合も同様です。さらに、日常生活で骨にかかる負荷が少なすぎると、骨の生成効率が悪化し、骨を強化する働きが鈍くなるため、運動不足も重要な原因とされています。特に閉経後の女性では、骨芽細胞の働きを活発にする女性ホルモン「エストロゲン」が急激に減少するため、骨粗鬆症のリスクが高まることが知られています。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、一般的な腰痛と異なり、安静にしているときには痛みを感じることは少ないのが特徴です。しかし、背筋を伸ばして歩いているときや、長時間立っているときなどに、腰から下や太ももにしびれや痛みが現れます。これにより、歩きにくくなる症状が出ます。一方、座ったり前かがみになったりすると、痛みやしびれが和らぐのが特徴的です。この病気は、加齢や病気によって椎間板が変形したり、骨が突出したりすることで、脊柱管内の神経が圧迫されることが主な原因です。代表的な症状の一つに「間欠性跛行」があります。これは、一定の距離を歩くとしびれや痛みにより歩行が困難になり、休息を取ると症状が軽減して再び歩けるようになるというものです。症状がさらに進行すると、下半身の力が弱くなり、尿の出が悪くなったり、逆に尿が漏れたりする排尿障害が現れる場合もあります。
脆弱性骨折
脆弱性骨折とは、骨密度が低下しているために、転倒などの比較的軽い衝撃で骨折してしまう状態を指します。このような骨折は、高齢者、とりわけ骨粗鬆症を抱えている人に多く見られます。脆弱性骨折が起こる原因として最も多いのは、転倒です。加齢による運動能力の低下や視力障害などが原因で転倒することで、骨折が発生します。特に、大腿骨頸部や大腿骨転子部の骨折は深刻です。この部位を骨折すると、歩行が困難になり、寝たきりの状態や廃用症候群につながることも少なくありません。
関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、主に関節部分を侵す慢性の自己免疫疾患です。30代半ばから50代にかけて発症するケースが多い一方、小児期や高齢期に発症する場合もあります。この病気では、朝に関節がこわばり動きづらくなる症状が特徴的です。また、午後には全身の倦怠感や疲労感、微熱、筋力の低下、食欲不振などの症状も見られることがあります。関節部分には、痛みや腫れ、こわばりが現れますが、それだけではありません。皮下結節や胸水、肺線維化などの症状が現れることもあります。さらに、唾液や涙が出にくくなるシェーグレン症候群を伴う場合もあるため、多岐にわたる症状が発生する病気です。
変形性関節症
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まとめ
今回ご紹介した骨や関節の病気は、高齢者の生活に直接的な影響を及ぼすものばかりです。骨粗鬆症や変形性関節症など、予防が可能な病気も多いので、日常生活の中で栄養バランスの良い食事や適度な運動を取り入れることが大切です。また、症状に気づいたら早めに医師の診断を受けることも重要です。
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