個人宅 訪問診療導入事例「膵頭部癌による閉塞性黄疸および十二指腸閉塞に対し、BSC方針のもと在宅療養へ移行したケース」
2025/12/25 (Thu) 07:50
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ちくさ病院 メールマガジン
vol.1593
当院の個人宅における訪問診療の事例紹介です。個人宅での訪問診療ご紹介の参考にしていただければ幸いです。
要点サマリー
膵頭部癌に伴う閉塞性黄疸および十二指腸閉塞により、経口摂取困難と全身状態悪化を来した症例である。胆管および胃十二指腸ステント留置後、BSC方針のもと疼痛緩和と症状コントロールを中心に在宅医療を導入した。外来通院が困難な終末期患者に対して、在宅での継続的緩和ケア体制を整えることで、本人・家族の希望に沿った療養を支援した。
基本情報
年齢・性別:70歳 男性居住エリア:名古屋市千種区家族構成:妻と二人暮らし(KP:妻)
保険・福祉情報
生活保護介護保険申請中
診断名
膵頭部癌十二指腸潰瘍膵頭部癌に伴う閉塞性黄疸十二指腸閉塞
導入の背景
白色便、肝機能障害、黄疸を契機に医療機関を受診し、精査の結果、膵頭部癌による閉塞性黄疸が疑われた。横行結腸間膜への浸潤も示唆され、胆管ステントを留置。治療方針について本人・妻と協議のうえ、手術および化学療法は行わず、BSC方針となった。その後、嘔吐・食欲不振により救急搬送され、膵頭部癌の十二指腸浸潤による十二指腸閉塞と診断され、胃十二指腸ステントを留置。経口摂取は一時的に可能となったが、全身状態の悪化により再入院となった。退院後、自宅療養を希望され外来通院が困難であったため、訪問診療導入となった。
介入内容と経過
BSCに基づき、苦痛緩和と生活の質の維持を最優先とした在宅療養方針を確認した。在宅移行後は疼痛管理を中心とした緩和治療と、点滴による体調維持を行いながら、全身状態の把握と症状変化への早期対応を継続した。通院を要さず、必要な医療が在宅で完結する体制を構築した。
医療対応の詳細
・オピオイドによる疼痛コントロール・点滴治療による脱水・全身状態の補正・ステント留置後の摂食状況および消化器症状の経過観察・症状変化時の臨時往診対応
支援のポイント
・終末期における「治療から緩和への移行」について、本人・家族と十分に共有し意思決定を支援した。・外来受診が困難な状況を踏まえ、在宅で完結できる医療体制を早期に構築した。・配偶者である妻が単独で支える形となるため、精神的負担にも配慮し、随時相談対応を行った。
考察
本症例では、積極的治療を行わないBSC方針が早期に共有されていたことが、スムーズな在宅移行につながった。ステント治療により一定の摂食機能が維持される一方、全身状態の変動が大きいため、通院医療ではなく在宅医療の選択は合理的であった。疼痛緩和に加え、点滴を含む症状対処を在宅で行うことで、生活の場を変えずに療養を継続できた点が重要である。
付記情報
診療科:緩和ケア科病態・病状:がん世帯構成:夫婦のみ
在宅医療相談窓口
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大塚相談員 担当エリア:緑区・東区・昭和区・西区・中川区・守山区
TEL:080-4897-4613 ( tel:08048974613 )
佐藤相談員担当エリア:熱田区・港区・中村区・名東区・北区
TEL:080-4897-4673 ( tel:08048974673 )
渡邉相談員 担当エリア:千種区・瑞穂区・南区・天白区・中区
TEL:080-3595-8467 ( tel:08035958467 )
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介入内容と経過
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